JCG設立し直営型映像配信サービス「ボノボ」を今秋スタート
2015年5月29日 17:30
[映画.com ニュース] 映画・音楽・アニメ・TV番組など、すべてのコンテンツに関わるユーザー(消費者)の利益と事業者の発展を目的とする任意団体「ジャパン・コンテンツ・グループ」(JCG)が5月29日発足した。
JCGには、日本映画製作者連盟(映連)、外国映画輸入配給協会、洋画メジャー各社、在京民放5局などから29社が加盟(29日現在)し、映連の岡田裕介会長がJCG会長、東宝東和の松岡宏泰会長とウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンの塚越隆行ゼネラルマネージャーが副会長に就任。そして、あわせて参画企業によるコンテンツホルダー直営型の新しい映像配信サービス「ボノボ」を今秋スタートさせることを発表した。
「ボノボ」の配信コンテンツは、新作映画、邦洋アニメーションの話題作、邦洋アーティストの映像コンテンツ、TV番組の数々などを予定。スマートホン、PC、タブレットはもちろん、TVでも楽しむことができる。この新サービスのプラットホームは、NTTドコモグループのパケットビデオ・ジャパンがシステム運用パートナーとなり提供。JCGは、参画企業を含む主要なコンテンツホルダーとの間に立ち、円滑な映像配信に向けて協議を行っていくサポート団体となる。
参画企業が「ボノボ」にそれぞれコンテンツを持ち寄る直営型のこのサービスは、直営型ならではのプレミアム感と、作品との深い「繋がり」、豊富な作品と情報を一カ所に集約していくことを特徴としている。名称の由来はヒト科チンパンジー属であるボノボで、イメージキャラクターの「ボノタン」も発表した。
岡田会長は「ボノボは、人間に一番近い霊長類と言われることから、映画に一番近いポータルを目指し、知能が高く平和的な動物とされていることから、コンテンツホルダーが創意工夫によって消費者の利益と事業者の発展を図っていくシンボルとして命名した」と説明。今秋日本に上陸予定の米大手動画配信サービス「ネットフリックス」を意識したものではなく、映画業界を中心としたコンテンツホルダーが揃って取り組み、共存共栄していくことを強調。「ユーザーにとっての便利さ、わかりやすさと、企業の発展を目指し、研究を重ねながらイメージキャラクターとともに進化していきたい」とした。
塚越副会長は「世界初とも言えるこのサービスを通じてもっと作品を楽しんでもらい、(視聴者)全体のパイが大きくなっていくことを望む」とし、松岡副会長も「参画企業が連携し、業界の枠を超えて多様なコンテンツホルダーが結集する場としたい」と抱負を語った。
なお、視聴料金は参画企業ごとに1作品あたりの料金設定が異なる都度課金で、サービススタート時のコンテンツ本数も今後調整していく。デジタル映像配信の普及が加速し、様々なサービスが増えてきている中で、参画企業が一丸となってどこまでユーザーにとって便利なサービスとなれるのか、今後の連携が注目される。