赤ペン瀧川、ヤンキーに「チャッピー」の勧め
2015年5月18日 13:00

[映画.com ニュース] 独自の視点で話題作を紹介する「映画添削」で知られる、なんでも添削家の“赤ペン瀧川”がこのほど、「第9地区」のニール・ブロムカンプ監督の最新SF「チャッピー」を鑑賞。「面白すぎて死にそうになった」というほどの熱量で、同作の見どころを語った。
「すさまじかったですね。めちゃくちゃに面白かったです。今のところ2015年No.1! まだ4月だけど(笑)」と断言する瀧川。「第9地区」で心を奪われたブロムカンプ監督を、「もうお茶の間の皆さんまでみんな知っていていい程の監督、ぜひこの作品で知っていただきたい」と称し、「チャッピー」最大の見どころは「抜群に面白い世界観」だと明かした。
「従来の映画のようにエイリアンの襲来そのものを描くのではなく、その20年後の話という設定が面白かった」と「第9地区」を振り返り、「この『チャッピー』も、ロボ警察……そう、世界観で言うと“『ロボコップ』後”みたいな(笑)。ロボット警官がもう普及しちゃっている世界から始まるのが、まず『うまいな!』と痛感しました」と高く評価。そして、「そもそも人工知能(AI)と聞くと、見ているこっち側はどれだけ優れた天才的なものかを期待しちゃうんですけど、この映画だと、それは生まれたばかりの赤ちゃんの状態。『ああ、ここから始まっちゃうんだ、このAIは……』とうなりましたね。その世界観の作り方だけで引き込まれました」と続ける。
物語は、16年の南アフリカ・ヨハネスブルグを舞台に、天才エンジニア(デブ・パテル)によってAIを組み込まれたロボット“チャッピー”が、バッテリーが切れる=死までの5日間に、驚くべき速度で進化していくさまを描く。だが、そのチャッピーを拾って育てるのは、ストリートギャングのカップルだ。
劇中で異彩を放つこの2人を演じるのは、個性的なビジュアルで人気を博す南アフリカのラップ・グループ「ダイ・アントワード」のメンバー、ニンジャとヨーランディ。瀧川は、「いくら自分が好きだからって、監督が頭おかしいなって思うのは、ヒュー・ジャックマンとシガニー・ウィーバーという名優を呼んでおいて、メインで活躍させるのはラッパーとCGのロボット!(笑)」とツッコミを入れる。
だがこの2人は、凶悪なギャングながら、純粋なチャッピーに真摯に向き合い、彼の成長を後押ししていく。瀧川は、「まずニンジャは極悪なのに、チャッピーに対してウソをつくことにすごく心を痛めるんですよね。子どもにウソをつけない感じは、親としてすごくよく分かるんです」と指摘。そして、「ヨーランディが、チャッピーに『心はどこにあるのか』という話をベッドの上でするシーンがあるんですが、超悪い人たちなのに、“生命”に対して優しい言葉を使って、育てようとしている姿がすごく美しかったなと思いますね」と感心し、「ヤンチャだった母親ほどキチンと子育てしている“ヤンママって、教育ちゃんとしているよね”感がすごくある(笑)」と語った。
「何よりブロムカンプ監督が上手いのが、ジョージ・A・ロメロ監督がゾンビを使って文明批判をしたように、近未来SFという設定を使って、人間の良いところと悪いところをガッツリと描いているところ。SF映画なのに、結局は人間ドラマなのがすごい」と最大級の賛辞を送る瀧川。「チャッピー」を「(ブロムカンプ監督の)集大成的な作品になっている」と評し、「人として大事な倫理観をめちゃくちゃちゃんと描いているので、10代や20代のイケイケな人たちにも見てほしい。マジでヤンキーとか暴走族とかにも(笑)。100人の暴走族を集めて『チャッピー』を見てもらって、どういう反応をするか? ぜひ感想を聞いてみたいです!(笑)」と力を込めた。5月23日から全国公開。
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