「JIMI:栄光への軌跡」アンドレ・ベンジャミン&ジョン・リドリー監督が語るジミヘンとの出会い

2015年4月9日 16:00

撮影中のアンドレ・ベンジャミンとジョン・リドリー監督
撮影中のアンドレ・ベンジャミンとジョン・リドリー監督

[映画.com ニュース]日本ではジミヘンの愛称で知られる天才ギタリスト、ジミ・ヘンドリックスがスターダムに駆けあがるまでの2年間を描いた伝記ドラマ「JIMI:栄光への軌跡」が、4月11日に公開される。主演のヒップホップデュオ「アウトキャスト」のアンドレ・ベンジャミンジョン・リドリー監督のインタビューと、劇中でベンジャミンが、ジミヘンになりきり演奏する映像を映画.comが入手した。

初めてジミヘンの音楽に接した当時をふたりはこう振り返る。「僕の場合は、映画を通じてだった。若い頃の僕はスポーツに夢中で、ヘンドリックスなんて全然知らなかったんだよ。僕が彼について知ったのは、20代前半、何かの戦争映画を見ている時だ。具体的に覚えていないけれど、ヘリコプターのシーンで、クレイジーなソロの演奏がかかった。その瞬間に、僕はヘンドリックスのファンになったのさ。僕自身も、ギターを始め、ほかにどんな黒人のギタリストがいるのか知りたいと思った」(ベンジャミン)

「僕の場合は、図書館で見つけた本だったな。振り返ってみると、僕はまず、知識、文章のほうから入っていっているんだよね。彼の音楽を聴くようになったのは、その後なんだよ。最初に手にしたのは、母が買ってくれた、本人の許可を得ないで作られた、ひどい状態のヒットコレクションアルバムだった。もちろん、歌自体はいいんだが、僕はそれほど夢中になれなかった。でも、後に『アクシス:ボールド・アズ・ラヴ』がCDの形で再発売され、「エレクトリック・ジプシー』を読むと、彼の歌と歴史が一体化して感じられるようになったんだ。つまり、普通の人と逆だったと思うんだよね。普通だったら、まずは音楽から入るんだろうけど、僕は、彼という人物にまず興味を覚え、後になって、その人物が書いた歌の奥の深さを堪能するようになったんだ」(リドリー)

ベンジャミンは600時間に及ぶ猛特訓の末に左手での演奏をマスターし、天才ギタリストを見事に演じきった。自分とは別のアーティストになりきるというのは、どんな気持ちだったのだろうか。

画像2

「ジョンからは常に、『どういうふうにアプローチしてもいい。ただ、自分のものにしろ』と言われていたよ。僕は、正直にアプローチした。僕がジミ本人になることは、ありえない。これは演技だ。僕は、自分なりのベストを尽くしたと思っている。ギターでは決してジミのレベルに及びもしないが、彼について書かれたものはできるかぎり読んだし、リサーチはたっぷり重ねた。それに、不安をもつアーティストの気持ちは、僕にもよくわかる。アーティストとして成長していくこと、アーティストとして完全な自由を与えられないこと、演奏している時にクールに見えたいという気持ち、そういう部分に、僕は大きく共感するんだ。とは言っても、彼のことを本当には知らない。役作りのために、君たちよりはジミについて書かれたものをもっと読んだと思うが、それでも完全にはわからなかったんだ」

ジミヘンはかつて無い技法で当時の音楽シーンに彗星のごとく現れ、わずか27歳で夭逝したことが伝説となっているが、リドリー監督は、天才の知られざるデビュー当時を描くという、これまでの伝記映画とは異なったアプローチで本作を製作した。「僕がこの映画を作るきっかけになったのは、ある夜、偶然聴いたジミの歌だった。その歌には、感情、情熱、フィーリングに満ちていた。ほかの歌に比べても、それらが強く感じ取れたんだ。歌のタイトルは、『Sending My Love to Linda』それで僕は、あの歌と、彼があの歌を書いた時代について、リサーチを始めたんだよ。その過程で、さきほども話したように、僕は、彼について、それまで知らなかったことを多く学ぶことになった。そして、僕が覚えたのと同じ強い感情を観客にも感じてもらえるようなストーリーが、ここにはあると思ったのさ。すでに人が知っている情報をリサイクルしたような映画を作るのではなく、特別な感情に満ちた映画を作れるはずだ」とその意図を語った。

JIMI:栄光への軌跡」は、4月11日からヒューマントラストシネマ渋谷、有楽町スバル座、新宿武蔵野館ほか全国で公開。

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