マーク・オズボーン監督&四角英孝が明かす「リトルプリンス 星の王子さまと私」の世界観
2014年12月16日 08:00
[映画.com ニュース]アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの名著「星の王子さま」を初めてアニメーション映画化する「リトルプリンス 星の王子さまと私」のマーク・オズボーン監督とキャラクター監修を務める四角英孝がこのほど、製作の続く今作についてインタビューに応じた。
物語は、2つの世界で展開。ひとつは原作にある王子と飛行士の砂漠での物語で、ストップモーションアニメーションで描かれる。もう一方は、その数10年後、年老いた飛行士と9歳の少女との交流を描く現代パートで、こちらは3DCGアニメーションで表現される。
原作ファンが抱くのは、70年以上も愛され続けた名作の持つ美しさを損なわずに映像化できるのか、ということ。特に、新たに加えられる現代パートについての不安と懸念。だが、オズボーン監督は「原作が伝えるのは“LOST”。すなわち愛する人との別れや喪失に人はどう向き合うかということ。映画はそのテーマを受け継いでいます」と話す。さらに、「ハリウッドとインディーズのそれぞれの良さを組み合わせた、大スタジオでは作れない作品、キャラクターに主眼を置いた、感情に訴える作品にしたいと思っています」と気概と自信をのぞかせる。
実際のアニメーションで大きな役割を担ったのが、「塔の上のラプンツェル」で担当したラプンツェルの髪の表現が称賛を集めた四角だ。「ストップモーションは魅力的でCGは生気がないと言われることが多いですが、そのギャップを埋めるのが僕の仕事」と語るように、CGパートをいかに自然で美しいものにするかに注力。実に1年4カ月、122回におよぶバージョンアップを重ねて現代パートのヒロインを3Dで具現化した。
「人間の目はとても敏感で違和感をすぐに感知します。アニメの世界で“不気味の谷(The Uncanny Valley)”という言い方をしますが、リアリティを追求し過ぎると、ある地点で逆にロウ人形のような不自然な状態に陥ってしまう。微妙なバランスが必要ですが今回、おかしな点を見つけるたびに少し前に戻って細かい変更を加え、という非常に有機的な作業が出来たと思います」。
公開まで約1年。まだ全ぼうは謎に包まれているが、特報映像を見ても、その美しさに期待が高まる。オズボーン監督に、数あるシーンの中で最も美しいと自負するカットを聞いてみると「まだお見せできないのが残念ですが、現実パートの老飛行士の家の中や庭の描写かな。美しく、物も豊富で隣の少女の無機質な家とのコントラストを感じてもらえると思う。彼の家に出入りすることが少女にとってどれほどの衝撃だったかがきっと理解できるよ」。
「リトルプリンス 星の王子さまと私」は2015年12月公開。
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