シュワルツェネッガーの「声」ならこの人、玄田哲章が語る「サボタージュ」
2014年11月7日 16:25

[映画.com ニュース] 数々の主演作でアーノルド・シュワルツェネッガーの吹き替えを担当してきた声優・玄田哲章が、最新作「サボタージュ」(公開中)について語った。
「うん、やっぱりいいですね、主演作は(笑)」と、今回も吹き替えで参加した同作の感想を明かす玄田。「全盛期から考えると、彼も結構年齢を重ねたわけだけど、現在は、年相応の魅力というものを彼自身感じながら演じているのが伝わるし、人間味が出るように役柄を演じていて、そういった意味で素晴らしいなと。自分のやりたいことへ率直にぶつかっていってる気がしましたね」とシュワルツェネッガーの印象を語る。
映画界へ本格復帰を果たして、今作が主演第2弾。「エンド・オブ・ウォッチ」「フューリー」で注目を集めるデビッド・エアー監督と組み、リアリティあふれるアクションに猟奇事件が絡むという、これまでの主演作にはなかったアクションサスペンスに挑んでいる。
シュワルツェネッガーが演じるのは、“麻薬戦争の神”と呼ばれるDEA(麻薬取締局)特殊部隊のリーダーだが、単なる正義漢や熱血漢ではないダークな裏の一面を持つキャラクターだ。長年ヒーロー役としてのシュワルツェネッガーを演じてきた玄田は、「今回はあれだけ強者ばっかりいるなかで、リーダーとしての責任や信頼感を上手く演じ分けていましたね。ドラマとしては裏があって、最後にどんでん返しもあります」と、これまでとは違う趣を強調する。「結末は本当に予想がつかないと思う」と話し、「謎が謎を呼んで『一体犯人は誰だ?』みたいなミステリー要素もある。恐怖感もあり、笑いもあり、楽しめる映画になっていると思います。アクションだけじゃない一筋縄ではいかない物語は、ドラマ的にも面白く仕上がっているんじゃないかと思いますね」と見どころを挙げた。
「ターザン役者はターザン役者のまま、スーパーマン役者はスーパーマン役者のまま終わるように、僕は正直なところ、シュワルツェネッガーは筋肉マンで終わる人だなとデビュー当時は思っていましたから(笑)」と言う玄田は、「とにかく作品と監督に恵まれていましたよね。シュワ自身とても賢い人だから、うまく監督に自分を引き出させる才能があったんじゃないかな。でも、こうしてずっと、色んな形で皆さんに愛される俳優になったのには驚きましたね」と顔をほころばせる。
そして、政界から帰ってきたシュワルツェネッガーに対して、「僕個人としては、もっともっと彼に驚かせて欲しいなと。アクションスターとしてではなく、俳優としてね。復帰後、その可能性を感じるようになってきたんです」と期待を寄せた。
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