「フタバから遠く離れて」舩橋淳監督&伊沢史朗双葉町長、福島の原発事故は「まだ終わっていない」
2014年10月15日 14:30

[映画.com ニュース] 福島第一原発事故の影響で埼玉県加須市に移住した福島県双葉町民たちの避難生活に密着したドキュメンタリー映画「フタバから遠く離れて」の続編「フタバから遠く離れて 第二部」の舩橋淳監督が10月14日、双葉町長・伊沢史朗氏とともに東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見した。
埼玉県・旧騎西高校へ全町避難してからの9カ月間を記録した前作から3年、現在もさまざまな困難に直面する町民たち、混乱の続く双葉町の姿を通じ、行政が抱える矛盾や問題点をあぶり出した今作。現在、双葉町のほとんどの地域が帰宅困難地域に指定されているにも関わらず、さらに放射性汚染廃棄物を管理・保管するための中間貯蔵施設の建設計画も持ち上がっており、大多数の住民の反感を買っている。
舩橋監督は、「石原伸晃環境相は『最後は金目』と言ったが、金だけの問題ではない。双葉の町民はそれ以上のもの、歴史、コミュニティのつながり、世代を超えた文化などを原発事故によって失った」と批判した。
前・井戸川克隆町長は町議会の不信任決議案を受けて辞職に追い込まれたが、現・伊沢町長は、「双葉町の現状を、全国の発電所が立地する市長町長の方々に見てほしい。再稼働に関しての判断はそれぞれの地域の特殊事情があるけれど、2度と原発事故を起こさないような安全管理が最低条件」と主張。また、埼玉・加須市に非難していた役場を福島・いわき市に再移転した理由を、「福島県内全てが危険なわけじゃない。住民が分散してしまうと自治体の存続は厳しいものとなる。なるべく多くの人々が一緒に団結して生活できる環境が大切」と訴えた。
舩橋監督は、「福島県内でも意見は割れている。原発事故について語ることに辟易(へきえき)している人も多く、中心部では『原発事故は終わったこと。今すべきことは線量を計ることだけ』という意見もある」と現況を語り、「東電が責任を持つべきところを国民の税金で尻拭い。失われているのは“正義”だと思う」と語気を強めた。
伊沢町長も、「国も東電も『想定外の事故だった』と言うが、決してそういうことがあってはならない。福島原発10基からの電気は全て関東に送られていた。エネルギーを享受した人々にも今後のことを考えてほしい」と問題提起。舩橋監督も、今後の展望を「まだ終わっていない。映画は3、4と続くかも。なぜこのような人権の侵害、非人道的なことが続いているのかを問い続けたい。福島原発の電気を使っていたのは我々東京の人々であり、映画監督として作り続ける責務のようなものがあると思う」と、今後も双葉町の人々への取材を継続していく決意を明かした。
「フタバから遠く離れて 第二部」は11月15日より公開。
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