ステファニー・アルゲリッチ、世界的ピアニストの母を映したドキュメンタリーの裏側を語る
2014年9月26日 15:20

[映画.com ニュース]世界的ピアニスト、マルタ・アルゲリッチの素顔に迫るドキュメンタリー映画「アルゲリッチ 私こそ、音楽!」が9月27日公開する。監督であり、マルタの三女であるステファニー・アルゲリッチが撮影を振り返った。
家族だけが知る母と3人の娘たちとの関係とともに、天才ピアニストの素顔を紐解いていく本作、映画の冒頭にはステファニー自身の出産シーンが映し出される。
「見ていただく方に対して、ちょっと印象が強すぎるかなとは思いましたが、家族をテーマとして描いている映画ですから、理にかなっているとは思います。映画も子どもも、私の中にずっと宿っていたわけですから、一緒に世の中へ送り出してみたということかもしれません。正直に申し上げますと、私自身が母親になったことで、今回の映画が生まれたとも言えます。今だからこそ、何か行動しなくてはいけないという衝動に駆られましたし、母との関係も変化したと思います」とその意図を語る。
幼い頃から神童と呼ばれ、音楽家として人生の半分を旅に費やしてきた母マルタとは違う人生を歩んでいるとステファニーは自覚するが、仕事をしながら子育てをする母親という共通点を見出した。「私は子どもの頃から、母に対して批判的な態度をとったこともよくありました。しかし自分が母親になってみるとその部分を許すことができ、違った視点で母のことを見るようになったのです。自分と母との共通点を見出すことで、安心できたのかもしれませんね」。

本作ではマルタだけではなく、ステファニーの父スティーブン・コバセビッチ(ピアニスト)と2人の姉(リダ・チェン、アニー・デュトワ)ら家族が出演。父コバセビッチはステファニーを(映画の原題である)「ブラッディ・ドーター(Bloody Daughter)」と呼んでいる。
「『ブラッディ・ドーター(Bloody Daughter)』というタイトルは作品の本質に触れるものであり、自分にとっても姉たちにとっても深い意味があります。私自身は父の愛情を感じる素敵な呼び方だと思っていますが、直接そう呼ばれたことはありません。たとえばメールのやりとりをするとき、文末に『ブラッディ・ドーターより』『ブラッディ・ファーザーより』という風に、サインをするような感覚で使っていました。父は他の人に私のことを紹介するとき『僕のブラッディ・ドーターは……』と使っていたそうです。実は映画の中における父親の位置を決めかねていたのですが、この言葉をタイトルにすることで彼の居場所を作れるような気がしたのです。女性ばかり登場する映画ですけれど男の出る幕じゃないという内容にはしたくありませんでしたし、母と同じように私にとっては大切な存在なのです」 とタイトル命名秘話を明かしてくれた。
「アルゲリッチ 私こそ、音楽!」は9月27日、Bunkamuraル・シネマほかで公開。
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