矢口史靖監督、自主映画企画「ワンピース」20周年の節目に生涯続行を宣言
2014年9月21日 18:30
[映画.com ニュース]矢口史靖、鈴木卓爾両監督が手掛ける自主映画企画「ワンピース」が活動開始から20周年を迎え、過去作品の自選ベストセレクションと新作の上映「ようこそワンピース体験へ!」が9月20日、東京・京橋のフィルムセンターで開催中の「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」で行われた。
「ワンピース」は、固定カメラによる1シーン1カットの1話完結、アフレコや編集などはしないというルールを決め、それぞれが撮りたい題材を手弁当で製作。矢口監督は、後にオムニバス映画「歌謡曲だよ、人生は」の1編「逢いたくて逢いたくて」の原形となった「五郎丸」を初めて披露し、「昔は失敗したと思ってお蔵にしていたけれど、最近になって見直したらとても気持ち良かった。なんであの時、失敗したと思ったのか」と満足げに振り返った。
新作では、矢口監督が「遺言」、「カメレオンマン」、鈴木監督が「亀夫婦」、「待つこと眩し」と2本ずつを発表。鈴木監督は、登場人物が一切画面に登場しない「カメレオンマン」を見て、「こんなにすっごくくだらないものを作れるんだ」と絶賛。矢口監督も、「一番の褒め言葉です。まだまだバカでいわれる」としてやったりの表情だ。
そして、「出演者の方を半分だますような形で呼んで、ちゃんとした金も払わずひどい目に遭わせている。でも、20年続いちゃったのは、僕らが楽しいから」と説明。構想中のテーマはまだまだ数多くあるそうで、「実現不可能なものが多いけれど、趣味ですから誰にも止める権利はございません。多分、死ぬまでやるでしょうね」と宣言した。
鈴木監督も、「3Dもできるんじゃないかと思う。短くてなるだけ悩まない、他愛もないものがいい。まだまだいけるな」と意欲を見せる。2001年以降の作品はいまだソフト化がされておらず、既に30本近くが製作されているが、DVD化を求めるファンの声に対して矢口監督は「お金持ちのおじさまから声がかかれば出します。実は、深く静かに進行中です」と明かし、拍手を浴びていた。