河瀬直美監督“カワセブルー”の新境地「2つ目の窓」に絶対の自信
2014年7月6日 20:30

[映画.com ニュース] 最新作「2つ目の窓」の公開を控えた河瀬直美監督が7月6日、「Meet the Filmmaker」と題したトークショーを東京・アップルストア銀座で行った。コンペ部門に出品されたカンヌ映画祭での絶賛を受け、公開が今月26日に迫り「やっと見ていただける、心地よい緊張感に包まれています」と胸を高鳴らせた。
これまで故郷・奈良を舞台にした作品が中心だった河瀬監督だが、初めて鹿児島・奄美大島、そして海を描くきっかけは、自身のルーツが奄美にあることを知った10年ほど前。「よく沖縄と混同されるけれど、それだけ行く人がいない守られた島。いまだ半分神さまで半分人間というユタ神と呼ばれる人が100人くらいいるんです」という実態を知り、脚本に着手した。
撮影期間は1カ月ほどだったが、「カンヌでは海外メディアからよく『何カ月で撮った?』と聞かれた。短い間で台風や夕日といった自然の数々を撮れたので、すべてが神がかっていた」と述懐。そして、「私は毎朝、樹齢何百年のガジュマルの木にお参りし、その前に海が広がる砂浜でヨガをしていた」と心身ともに充実した撮影だったことを強調した。
カンヌでは受賞こそ逃したものの、12分間のスタンディングオベーションという大絶賛で迎えられた。「大きなお金が動き、メディアもこぞって集まるけれど、必ずそこには映画への愛があって、映像の可能性を真剣にディスカッションする場所。機材などのクオリティを確実に守っているし、深夜になる上映前日のプリントチェックにも必ず担当のボスが必ずいて、それが愛だし、とてもうれしい瞬間。また映画を届けたいと思います」と世界最大の映画祭の魅力を説いた。
昨年は日本の監督として初めてコンペの審査員も務め、審査委員長のスティーブン・スピルバーグ監督に心酔。「皆が心地よくなれる状況をチョイスしてくれるし、勤勉で人間としての資質が素晴らしい。今まで尊敬する監督はいなかったと思えるほど、出会えたことが宝物です。今でもメールをするとすぐに返ってくるし、『常にハングリーでいろよ』という言葉を大事にしています」と笑顔で語った。
「2つ目の窓」は、両親の離婚で母親と奄美大島に移り住んできた男子高校生と、母親が死を迎えつつある同級生の少女が、大いなる自然に包まれながら生きる強さを身に着けていく人間ドラマ。同作で俳優デビューを飾る村上虹郎と、吉永淳が主演し、共演は杉本哲太、松田美由紀、常田富士男ら。河瀬監督は、「カンヌでは北野武監督の作品は“キタノブルー”といわれ、私は奈良には山しかないので“カワセグリーン”と呼ばれていた。でも今回は“カワセブルー”といえる、私の新しい自然観が見ていただけると思う」と自信たっぷりだった。
(C)2014“FUTATSUME NO MADO”JFP, CDC, ARTE FC, LM.
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