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「生き残るための日々だった」リティー・パニュ監督、激動のカンボジアでの幼年期を語る

2014年7月4日 17:05

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リティー・パニュ監督
リティー・パニュ監督

[映画.com ニュース]ポルポト政権下、クメール・ルージュによる虐殺を奇跡的に生き延びたリティー・パニュ監督が、土人形を用いたクレイアニメーションと貴重なアーカイブ映像で当時の状況を表現した最新作「消えた画 クメール・ルージュの真実」が7月5日公開する。「生き残るための日々だった」と激動のカンボジアでの幼年期をパニュ監督が振り返った。

両親や友人を失い、13歳で労働キャンプを脱出しフランスに渡り、映画製作を学んだ。そして自ら体験した「虐殺の記憶」を伝えるために、フィクションとドキュメンタリーの垣根を超える作品を数多く製作してきた。今作は第66回カンヌ映画祭ある視点部門最優秀作品賞を受賞、本年度アカデミー賞外国映画賞にノミネートされ、世界的な注目を集めた。

素朴な土人形が表現する牧歌的なカンボジアの人々の生活と、みじんの温かみも感じさせないアーカイブ映像が交互に映し出される。「土人形は人間の生命を作る自然の要素でもある、土や水、風や太陽から作られたものです。このように作られた土人形が、魂を見つけてくれる手助けになってくれると同時に、プロパガンダの全体主義的な映像の矛盾を相殺してくれる役割を果たしてくれるのです。プロパガンダ映像は、人間が生きている姿や感情を表現するために撮られた映像ではなく、イデオロギーをサポートするためのものです。個人のアイデンティティを抹消する方法で映像が作られているのです。今回の映画は我々カンボジア人の歴史であるわけですが、映像に対する考察にもなっているのです」

「小さなころはやんちゃな子でした。野原を駆け回るタイプの子でしたが、クメール・ルージュ時代から絵を描き始めました。クレヨンも紙もありませんでしたが」と自らの幼年期を振り返り、子どもらしい遊びは一切できなかったと明かす。「生き残るための日々でした。ですから、今それを取り戻すために遊んでいますよ(笑)。生き残ったこと自体が幸運です。子ども時代にディズニーランドには行き損ねましたけれど、大したことではありません。自分にとって、欠けていたのは子どもらしい遊びではなくて、両親と家族なのです」

画像2(C)CDP / ARTE France / Bophana Production 2013 – All rights reserved

父は教師で、監督自身がイデオロギーに染まらずにこれたのは文化的な家庭で育ったからだと話す。「受けた教育や教養は、肉体的にではなく、精神的に思想教化に対して抵抗することの手助けにはなったと思います。父親は民主主義を構築するためにも、人間には教育を与えなければならないと主張するのです。民主主義は一朝一夕にできるものではありませんし、自由を手にするということは絶え間ない抗争の日々なのです」

現在はフランスとカンボジアを行き来し、映像、写真など歴史的な資産を保存することを目的にした、ボファナ視聴覚資産センターをプノンペンに開設した。しかし、ポルポト時代は、カンボジアにとって負の遺産に違いない。事実を語る映像を国として隠したいという動きは、見られなかったのだろうか。「アーカイブ映像はほとんど問題なく回収でき、また制限なく人々が閲覧できるようにすることに対しても、国家からの抵抗はありませんでした。それは素晴らしいことだと思います。他の国ではそうはいかないこともあるでしょう。事実をオープンに見せることによって、人々は一度失った歴史や記憶をもう一度自分たちのものにすることができる。それは平和的プロセスだと思います」

消えた画 クメール・ルージュの真実」は7月5日からユーロスペースで公開。

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