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ポール・マザースキー監督、84歳で死去

2014年7月2日 20:20

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俳優、脚本家としても才能を発揮した マザースキー監督
俳優、脚本家としても才能を発揮した マザースキー監督
Photo by Stefanie Keenan/WireImage

[映画.com ニュース] 俳優、脚本家としても活躍し、アカデミー賞に5度ノミネートされたポール・マザースキー監督が6月30日(現地時間)、米ロサンゼルスの病院で心肺機能の停止のため他界した。享年84歳だった。

ブルックリン大学在学中から舞台やテレビで俳優として活動していたマザースキー監督は、スタンリー・キューブリック監督の劇場映画デビュー作「恐怖と欲望」(1953)で映画に初出演。60年代に構成作家、脚本家としてのキャリアもスタートさせ、69年の初長編監督作「ボブ&キャロル&テッド&アリス」でアカデミー賞脚色賞に初ノミネートを果たす。「ハリーとトント」(74)で脚本賞、「結婚しない女」(78)では脚本賞と作品賞の候補に挙がり、「敵、ある愛の物語」(89)で再び脚色賞にノミネートされた。なかでも、主人公の女性が離婚を経て自立するまでの姿を描いた「結婚しない女」は、女性映画の先駆け的作品として注目を集めた。

そのほかにも半自伝的な内容の「グリニッチ・ビレッジの青春」や、「ビバリーヒルズ・バム」や「結婚記念日」といったコメディ作品で手腕を発揮。晩年は俳優としての活動が多く、テレビシリーズ「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」や「ラリーのミッドライフ★クライシス」などにゲスト出演したほか、アニメ映画「カンフー・パンダ2」にボイスキャストとして参加した。監督作としては、ウクライナの小さな町で行われる祭事に参加したときの様子を収めた、06年のドキュメンタリー映画「Yippee(原題)」が最後の作品となった。

マザースキー監督は、今年2月に開催された米脚本家組合賞の授賞式に車いすで出席しており、これまでの脚本家としての功績を称えたローレル賞を受けとっていた。授賞式にも駆けつけた俳優のメル・ブルックスは、訃報を受け「我々にとって、彼はアメリカのフェリーニでした」と、故人を偲ぶコメントをツイッターに投稿している。

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