河瀬直美監督&松田美由紀、信頼築いた「2つ目の窓」を語る
2014年6月3日 14:20

[映画.com ニュース] 河瀬直美監督が6月2日、東京・アニエスベーボヤージュ表参道店で行われたレセプションパーティーに出席。女優の松田美由紀とともにトークショーを行い、第67回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品した新作「2つ目の窓」について語り合った。
自然あふれる奄美大島を舞台に、少年少女が愛を知り、成長していく姿を描いたヒューマンドラマ。村上淳の息子・村上虹郎が、主人公の少年・界人役で俳優デビューを果たした。
河瀬監督は、「奄美大島という海」をテーマにした本作を、「私たちは海では生きていけないけれど、太古は水の中に存在していた。もう1度、陸と海がつながり合える世界をつくることは不可能だけれど、考えることはできる。ふたり(界人と吉永淳演じる杏子)の生命力が、未来につないでくれる」と説明し、「私たちは映画、人生を愛しているし、何があってもという思いで最後まで気を抜かずにつくった」。カンヌ映画祭では惜しくも賞を逃したが、「賞を取るために映画を撮っていない。映画体験、人生で得た物を真しにやり続けている。それだけをやり続けていられたら、本当に幸せ」と笑顔をのぞかせた。
松田は「直美さんという人は、それこそシャーマンなんじゃないかと思うことがある。自分がイメージするものを、自分の体を通してたどり着くすごいパワーがある」と明かし、「河瀬監督は“松田美由紀”という人を捨て、役に没頭させ、導いていく。そういうことをするのは、日本では河瀬監督だけ」と最敬礼。
島の人々から“ユタ神様”と慕われる女性役に挑み、「4日間本当に入院させられた。ほかの役者さんはバイトをさせられたり、杉本哲太さんはレストランで働いていた(笑)」。そんな松田に対し、河瀬監督は「フィルムに刻まれていないところでの時間の過ごし方がすごい。全部自分のものにしていた。だからこそのシーンができていた」と全幅の信頼を置いていた。
トークショーの最後には、村上がサプライズで登場。撮影中のエピソードを問われると、「あるポイントで感情を爆発してほしかったけれど、ポーカーフェイスで静かだった。全然感情を出さないから、思い切り殴りましたね(笑)」(河瀬監督)、「ビンタ2発くらい」(村上)と笑いを誘っていた。
「2つ目の窓」は、7月26日から全国で公開。
(C)2014“FUTATSUME NO MADO”JFP, CDC, ARTE FC, LM.
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