ハードボイルド探偵・浅野忠信に「ロング・グッドバイ」共演陣もほれぼれ
2014年4月11日 17:12
[映画.com ニュース] 作家レイモンド・チャンドラーのハードボイルド名作小説をNHKがドラマ化した「ロング・グッドバイ」の第1話完成試写会が4月11日、東京・渋谷の同局で行われ、主演の浅野忠信をはじめ、共演の綾野剛、小雪、冨永愛、脚本家の渡辺あやらが会見した。
舞台は、戦後復興という転換期を迎えた1950年代半ばの東京。孤高の私立探偵・増沢盤二(浅野)が、妻殺害の容疑をかけられたまま不審な死を遂げた友人(綾野)の無念を晴らすため、危険を覚悟で独自捜査に乗り出していく。
連続ドラマ初主演を務める浅野は、「NHKのドラマは久々で、緒形拳さん主演の『春の一族』以来。その時から緒形さんにはかわいがってもらい、この場にこうしていられることも緒形さんに感謝している」と挨拶。原作の主人公フィリップ・マーロウをイメージした孤高の私立探偵をクールに演じ、「どうやって演じようかという迷いや葛とうはあったけれど、ちょっと子どもと言葉を交わすシーンやひとりきりのシーンなど、ただ事件に一辺倒なのではなく人間味あふれるところも意識した」と役作りを語った。
綾野は、盤二にあこがれる優男という役どころに「浅野さんがとにかく格好良いので、特別に役作りする必要もなく、自然にあこがれていられた。浅野さんは男も女もほれさせる男。このドラマに参加できたこと自体、今後の糧になった」と充実感をにじませた。小雪も、「友情がひとつのテーマ。主人公は目に見えないものに対し信念を持っている人で、主人公と浅野さんがぴったり一致。主人公が魅力的だと明日を生きる力になる」とニッコリ。冨永は、「1950年代を描いているけど、時代を超えて美しい作品。新しいドラマなんだなと思った。2話が楽しみ」と今後の展開に胸を踊らせていた。
連続テレビ小説「カーネーション」以来、2年ぶりにドラマの脚本を手がけた渡辺は「原作を読んでどうしてもドラマを見たいと思った。ミステリーとして不完全なところもあるけれど、今でも名作として読み継がれる魅力がある。それは、ストーリーやセリフや世界観が全て登場人物を魅力的に見せることを軸にしているから」と分析。その上で、「この原作に日本の役者をあて、今まで見たことのない輝きを見たかった。それが一番強い動機。人物に惚れる喜び、悩殺される楽しさを届けられればうれしい」と語った。
「ロング・グッドバイ」は4月19日より、毎週土曜午後9時から連続5回放送。