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大森一樹監督、斉藤由貴は「幸運を運んでくれた女神様」

2014年3月24日 08:20

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「トットチャンネル」を語った大森一樹監督と斉藤由貴
「トットチャンネル」を語った大森一樹監督と斉藤由貴

[映画.com ニュース] 黒柳徹子の自伝エッセイを斉藤由貴主演で映画化した「トットチャンネル」が3月23日、東京・京橋のフィルムセンターで開催中の大森一樹監督のレトロスペクティブで上映され、斉藤と大森監督がトークイベントに出席した。

日本で初めてテレビ放送を始めたNHKの専属女優となった少女・徹子(斉藤)が、失敗を繰り返しながらも仲間たちと切磋琢磨し合い、成長していく姿をコミカルに描く。

大森監督と斉藤は、「恋する女たち」(86)「『さよなら』の女たち」(87)でもタッグを組んでいる青春映画の名コンビ。大森監督は斉藤との出会いを振り返り、「実は86年の正月は『ゴジラ』の準備をしていた。それが二進も三進もいかず、斉藤さんの映画をやってくれないかと。東宝も随分差があるなと思ったけど、面白いキャラクターだったので『ゴジラ』はいつでもいいやって(笑)」と製作の裏話を明かした。

斉藤にとって本作は、過酷を極めた相米慎二監督作「雪の断章 情熱」の直後だったこともあり、「波の上を楽しく乗ってる感じ。ふとした瞬間に風を受けた時の気持ちよさのような、そういう瞬間をパッとうまく捉まえる才をお持ちの監督だと思った」と厚い信頼。また、「台本に“早朝”って書いてあったので、3時くらいに起きてメイクしてロケバスで夜明けを待っていたら、大森監督が『台本に早朝って書くとこんな目にあうのか』と呟いた。主演女優の前で『それ言う?』みたいな(笑)。でもその時からすっごく気が楽になった」と当時を懐かしんだ。

斉藤は、本作を鑑賞し感激のあまり泣いたという黒柳とも面会し、「大切にされていた象牙か何かの指輪をいただき、今でも大事にしている。とっても謙きょで、自分が良いと思ったことを信じて、ひたすら一生懸命にやる方」と最敬礼。すると大森監督は、「基本的に似てるんじゃないかな。『ここは決めるでしょ!』という場面で失敗するあたりも黒柳さんみたいだし、生身の女優さんという意味で面白いとも思った。『フィギュアの浅田真央さん、ここぞという時に失敗するんですよね』というのを聞いた時は、斉藤由貴みたいだなと思った」と冗談で笑わせた。

大森監督は当時を回顧し、「86年は映画が舞い降りる時だった。何を撮ってもうまくいく。僕の監督人生で、あんなことはもうないんじゃいかな。由貴ちゃんは幸運を運んでくれた女神様」と感謝していた。

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