北村一輝、「真似できないユルさが魅力」の「猫侍」でネコに萌える侍に
2014年2月28日 12:45
[映画.com ニュース]「マメシバ一郎 フーテンの芝二郎」、「くろねこルーシー」などに続く動物シリーズの最新作、「猫侍」(山口義高監督)が3月1日から公開される。愛らしいネコと触れ合うことで心情を変化させていく侍を演じたのは、北村一輝だ。「このユルさは決して他では真似できない」と映画の独創性に自信を持つ北村に話を聞いた。
舞台は幕末。かつて百人斬りと恐れられた剣豪・斑目久太郎(北村)は、いまや浪人となり果て、生活にも困窮していた。ある日“犬派”の米沢一家が斑目の下へやって来て、敵対する“猫派”の相川一家の親分の飼い猫の殺害を依頼する。大金につられ引き受けた斑目だったが、ターゲットの白猫・玉之丞のつぶらな瞳に見つめられるや否や、“癒し”の感情を芽生えさせ、こっそり連れ帰り飼い始める。敵役に寺脇康文、ヒロインに蓮佛 美沙子¬が出演する、新感覚の刺客エンターテインメント作品だ。
タイトルを聞いてすぐに魅力を感じたという北村。「本を読んで素直に面白いと思った。コミカルなものをやるのなら、思い切り振り切ってやった方がいいんじゃないかと思いました。昔から知っているスタッフばかりだったこともあり、役の話し方ひとつからリアクション、劇中歌、ナレーションについてまでどんどんアイデアを盛り込めました」
ナレーションは久太郎の“心の声”として、ストーリーの要所で登場する。口調はいたって真面目だが、それが逆に見ている側の笑いを誘う。その巧みな演出について尋ねると、「あれは、その場のノリですよ(笑)。内容は決まっていますが、言い方はアドリブ要素が多く含まれています」と、北村と制作陣とのチームワークの良さが伺える制作秘話を明かす。
そして「実はその“ユルさ”こそこの作品の見どころなのです。緩めることができるのは、それぞれ経験があるからこそ。一生懸命“ユルさ”を表現することは、ある種きっちりすることより難しいと思います。その絶妙さ加減を理解している人達が見事に集まり、同じ方向を向くことができました」と続け、作品への思いを語った。
隙のないように構築された作品が多い中で、本作は少々毛色が異なる。しかし、それが物語のテイストとマッチし、唯一無二の世界を生み出している。「苦労もありましたが、全員やり切ったという気持ちがあります。みんなが意見を出し合い、てんこ盛りと言っても過言ではないくらいに魅力が凝縮された。見る人にはそれぞれの視点で笑ったり、ほっとしてもらえれば嬉しいです。子どもから年配の方まで老若男女の方に楽しんでもらえる作品になったと感じています」
「猫侍」は、3月1日より全国で公開。
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