中村蒼、主演映画「東京難民」公開で「自分の名刺増えた」と確信
2014年2月22日 15:25

[映画.com ニュース] 俳優・中村蒼主演の映画「東京難民」が2月22日、全国40スクリーンで封切られ、中村は佐々部清監督、共演の大塚千弘、青柳翔、山本美月、金子ノブアキ、井上順、原作者の福澤徹三氏とともに東京・有楽町スバル座で舞台挨拶に立ち、「1人でも多くの方に見ていただきたいという思いで、たくさん取材を受けてきた。初日を迎えられ、本当にうれしく思う」と喜びをかみしめた。
父親の失踪で大学を除籍され、住むところもなく転落の一途をたどっていく青年・時枝修役。「今までは(ネットカフェ難民などを)耳にはしていたし、番組でも見ていたが、どこか他人事だった。けれど修を演じることで自分にもあり得ると思え、それまではスルーしていた当たり前のことに気づき、感謝できるようになった」と振り返った。
そして、「すごく大切な作品です」ときっぱり。さらに「自分のことを知ってもらうには、主演作を見てもらうのが一番。初めてやることが多かった作品だし、自分の名刺がひとつ増えた感じです」と充実感をにじませた。
大塚は、ホストになった修に貢ぐ看護師・茜役で「恋をすると女の子は変わるという部分は共感できると思う。その中で本当に持っている強さを最後に向けて出せるよう、それだけを考えてやりました」と力説。中村との大胆なラブシーンにも挑戦したが、「演じる上で大切なシーンなので、特別な感情は特にありませんでした。やるってなったら緊張でドキドキしましたけれど、2人が結ばれることによって生きがい、エネルギーになればと思いました」と女優魂を見せつけた。
佐々部監督も、「僕も12本目で初めてのラブシーンだったので不安だったけれど、2人が不安にならないためのことはした」と、撮影前日に2人に吉田拓郎の「制服」を聴かせたことを告白。そして、「皆さまが感じ取っていただいたままでけっこうです。映画は見てもらって完結するもの。今日から、皆さんがこの映画を育てていっていただきたい。それだけを切に願っています」と訴えた。
しみじみとした雰囲気の中、1人だけ常に陽気だったのが井上。最初の挨拶で「みなさんには、本当にお世話になりました」と話し、自身の楽曲「お世話になりました」をアカペラで披露し、観客にコールを要求。前日が67歳の誕生日で、佐々部監督からサプライズで花束を贈られると、さらに相好を崩し「皆に会えたのと、満員のお客さんと、それからこの札束、いや花束。うれしいことが3つもあって、思い出深い公開になりました」と話していた。
(C)2014「東京難民」製作委員会
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