三大映画祭をにぎわせた「パラダイス」3部作 ウルリッヒ・ザイドル監督が描く“欲望”
2014年2月21日 13:05

[映画.com ニュース] カンヌ、ベネチア、ベルリンという世界三大映画祭コンペをにぎわせたオーストリアの鬼才ウルリッヒ・ザイドル監督の3部作「パラダイス 愛」「パラダイス 神」「パラダイス 希望」が、2月22日に公開される。セックス観光、過剰な信仰心、中学生と医師の恋というスキャンダラスな題材を通し、愛を求める人間の姿を描いたザイドル監督が作品について語った。
「3人の女性たちは愛への欲求、好意や性欲を満たそうとします。誰もがいつも彼や彼女の個人的なパラダイスを探しているものです。3部作は家族関係にある3人の女性を通して、この旅路を描いています。3つの休暇の物語、3つの欲望の物語なのです」とテーマを説明。さらに、「私の映画は西欧社会を象徴する人々を描いていて、いわば彼らは現代の鏡像です。私の映画は人間性についての実存主義的な問いを論じています。それは私たちみんなに関わることなのです」と語る。
愛や信仰という精神的な欲望を強く求めた時に露呈する、人間誰しもが持つ愚かさをユーモラスに映し出している。「私は傷ついたり、望んだりしている人、たとえ愛することができなくても愛を探している人を描く」そうで、「私の映画は決して判りやすいものではありません。それは人間とその深遠を描いていて、それはつまり観客自身の深遠です。そのせいで時おり心を乱されたとしても、あなたはそれを見なければなりません。最後には、きっとあなたなりの発見があるでしょう。それはやがてあなたを照らすような類のものです」と観客へ語りかける。

ドキュメンタリー監督として国際的に高く評価されているが、「監督するということにおいて、私には劇映画もドキュメンタリーも違いはありません」と言い切る。卓越した色彩感覚や構図などの映像表現については「元々は絵画と写真に興味を持っていました。それが映画に向かったのは、私の世界の見方を共有したいと思ったとき、それを試みるには映画が適切な手段だったという論理的帰結です。私の映画で世界を変えたいと思いました。もちろんそれは、とてもうぶで非現実的な理想でしたが」と話し、「ピエル・パオロ・パゾリーニ、エリッヒ・フォン・シュトロハイム、ベルナー・ヘルツォーク、ルイス・ブニュエル、ジャン・ユスターシュ、アンドレイ・タルコフスキー、ジョン・カサべテス」が映画をつくり始めたころの“アイドル”だったと明かしてくれた。
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