色あせないモダニズム 小津安二郎の図像学展が開催
2013年12月12日 21:30

[映画.com ニュース]映画監督・小津安二郎の世界を図像から読み解く展覧会「小津安二郎の図像学」が、東京・京橋の東京国立近代美術館フィルムセンターで小津監督の生誕110年、没後50年にあたる12月12日開幕した。
“永遠のウルトラモダン”とのコピーがつけられた同展では、小津監督の作品と実生活における絵画・デザイン・文字・色彩といった図像と、そこに込められた監督のこだわりを紹介する。岡田秀則研究員は「実証的な視点で、現存する資料からどのように小津監督が映画を作ってきたのか、美的感覚がはぐくまれてきたのかを示したい。学術的な面もある一方で視覚的な面白さにも配慮した」と展示について説明した。
映画の中で用いられた戦後の日本名画や、小津が祖父から受け継ぎ愛蔵した浮世絵、自身が描いたデッサンなどを紹介する「絵画の小津安二郎」、自らデザインした劇中の小道具や看板、登場人物を色分けしてカット割りを示した絵コンテ帳などに注目した「図案の小津安二郎」、小津の字による映画の冒頭タイトルをはじめ、直筆ノート、日記などからレタリングへのこだわりを明らかにする「文字の小津安二郎」、青年期の創作から後期のカラー作品のクレジットまで、色彩への執着に着目した「色彩の小津安二郎」、小津監督の厳格な造詣を担った美術監督、濱田辰雄氏の仕事を未公開資料を通じて振り返る「小津安二郎の映画美術 濱田辰雄の仕事」という5つのセクションで展開する。
また、小津と芸術家たちのかかわりや影響、関係についてのトークイベントが2月15日と3月1日に開催されるほか、会場入り口には「秋刀魚の味(1962)」で制作された小津デザインの看板が再現されている。「小津安二郎の図像学」は2014年3月30日まで。
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