京都国際映画祭、吉本興業参画し若手交流の場に
2013年11月25日 20:28
[映画.com ニュース] 2014年秋にリニューアルされた形で新たに開催される「京都国際映画祭」の準備委員会の発足記者会見が11月18日、京都・東山区の祇園会館で行われた。中島貞夫監督、門川大作(京都市長)、奥山和由(映画プロデューサー)、吉野伊佐男(吉本興業代表取締役会長)らが出席した。
昨秋まで8回にわたって開かれてきた「京都映画祭」は、隔年ごとに日本映画発祥の地・京都に蓄積された人材や技術を生かし、若手製作者の指針となるべく、シンポジウムや特集上映などを行ってきた。今回からは吉本興業が参画し、漫画や音楽、ファッション、アートなどに範囲を広げた若手クリエーターの交流の場にしたい考えだ。
ただ、ここで懸念されるのがNPO法人京都映画倶楽部の会員を中心に太秦地区の映画人たちで運営されてきた、旧来の映画祭より“映画色”が薄まるであろうということだ。なお、昭和33年に「マキノ省三先生顕彰会」によって創設され「京都映画祭」のルーツともいえる「京都市民映画祭」から営々と引き継がれてきた“マキノ省三賞”は、来年以降も継続される。
▽中島貞夫監督(前総合プロデューサー)の話
昨年秋の第8回映画祭クロージングセレモニーの折に、正直いってこれで映画祭の役割も終えたかなと考えもしたが、今回こういう形で吉本興業の参画もあり継続が決まった。ただ、映画上映やシンポジウムなど文化事業としての側面は終えたと思う。今後は吉本さんの若さやパワーが注入された新しい視点の映画祭に期待したい。
▽奥山和由映画プロデューサーの話
青春時代に東映京都のヤクザ(任侠)映画を観て育ちました。正直にいうと「男はつらいよ」で学習することはまったくなかった。その後も「仁義なき戦い」シリーズや、ここにいらっしゃる中島貞夫監督の作品などでわが映画的教養をひたすら磨いてきた。今回こういうことで中島さんと関わりを持てるのは光栄。本物が群雄割拠する京都を舞台に、観客目線で人材を発掘するなど、今までにない映画祭にしたい。
(文化通信)
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