海老名香葉子の死生観に息子・林家正蔵が理解示す
2013年11月23日 15:22
[映画.com ニュース] フランス映画界で気鋭の監督として注目されているステファヌ・ブリゼの新作「母の身終い」のプレミアム試写会が11月22日、都内で行われ、海老名香葉子と林家正蔵の親子がトークショーに立った。
同作は、どんなふうに人生を終えるのか、母と息子がどう壊れた関係を修復していくのかをテーマに、刑務所から出所した48歳の息子と暮らすことになった母親イヴェットの最後の心がまえと、息子への愛を丁寧に描く。
海老名と林家の2ショットは、意外にも初めて。80歳になる海老名は、映画について「最初はつまらないのかな……って思ったんです(苦笑)。けれど、段々と引き込まれていきました。イヴェットは何のために一生懸命にやっていたんだろう? 彼女は何が喜びだったんだろう? 女性にとっての生きる喜びは何なのかを考えさせられました」と語った。
イヴェットは、自分が自分でなくなる前に“自分らしい人生の終え方”をしたいと、スイスにある自殺を幇助する協会と契約をするが、海老名も「私も申し込みたいと思った」と深く共感した様子。「大病をして乗り越えて80歳になりましたが、死ぬときぐらいは楽に死にたい、ぽっくりいきたい。でも、息子に面と向かって『死ぬときぐらいはぽっくりいけ』と言われると、しゃくにさわるんですよね」と笑った。
そんな母の言葉に、林家は「自分で言っておいて怒るんですよ。そんな母がわずらわしいと思うこともありますが、元気でいてくれることはやっぱり嬉しい。でも、この映画のように母が尊厳死を選んだとしたら、母の決断を受け入れたい」と理解を示す。また、「今後の心構えとして、どう母の死を受け入れたらいいのか、残されたものはどう心のおさめ方をしていくべきかを考えさせられる映画でした」と真剣な眼差(まなざ)しを注ぐ。
「母の身終い」は、11月30日から公開。
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