人気女優ビッキー・チャオ、監督初体験で「やみつきに」次回作構想も
2013年10月24日 17:10

[映画.com ニュース] 「レッドクリフ」シリーズで知られる中国4大女優のひとり、ビッキー・チャオが初監督を務めた「So Young」が10月24日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで上映され、来日中のビッキーが観客とのティーチインに出席した。第26回東京国際映画祭の「ワールド・フォーカス」部門出品作。ファンの歓声を浴びながら登壇したビッキーは「やみつきになりました。これからも映画を撮っていきたい」と初メガホンに手応えを示し、「具体的な予定ではありませんが、次はアート寄りの作品を撮りたい」と次回作の構想も語った。
映画は大学時代に出会ったひと組のカップルに、別れから10年の歳月を経て、新たな展開が訪れるという青春群像劇。かねて監督を志望していたビッキーは、母校である北京電影学院の大学院に再入学し、演出を学んだ後に修了製作として本作を発表した。ビッキーは「常に変化したいと思っているし、世界に対する私なりの考え方をより幅広く表現できるのが監督業の醍醐味」と声を弾ませた。
すでに本国では大ヒットを記録しており「今の中国は経済成長にばかり目を向け、若者たちは青春にありがちな“無駄”や“浪費”を避ける傾向にある。だから、ストレートな青春を描いたこの作品を見て『もっと青春らしい青春を過ごせば良かった』と思ってくれたみたいです」と分析。90年代以降、著しく変化する中国ではロケ地を探すのもひと苦労だったといい「90年代の雰囲気を出すためにセットも組みました。大学でロケをしていると、関係者が『うちにはもっときれいな場所があるんだけど……』と苦笑いすることもあったわ」と舞台裏を明かしていた。
「ワールド・フォーカス」部門は、旧来の「アジアの風」と「ワールドシネマ」部門を統合させたリニューアル部門。「So Young」をはじめ、ダンテ・ラム監督による総合格闘技アクション・ドラマ「激戦」、カンヌ映画祭でも話題をさらったフィリピンの鬼才ラブ・ディアス監督の4時間を超える野心作「北(ノルテ) 歴史の終わり」など個性派監督の話題作15本が上映される。2013年8月31日時点で、日本公開が未定の作品が対象になっており、熱心な映画ファンから高く注目を集めている。
東京国際映画祭は10月25日まで開催。
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