ビッキー・チャオにダメ出し連発!「初恋の想い出」フォ・ジェンチイ監督
2008年10月3日 12:00

[映画.com ニュース] 80年代の中国。同じ官舎に暮らして恋心を育みながらも、親同士の因縁のためにその想いを実らせることができない一組の男女。繊細かつ叙情あふれる映像美とともに、一途で宿命的な愛を描いた「初恋の想い出」を撮り上げたフォ・ジェンチイ監督に話を聞いた。
「山の郵便配達」ほかで国内外の絶賛を浴びたジェンチイ監督は、「琴線に触れた」という理由で、偶然、新聞に連載されていたノンフィクションを最新作の題材に選んだ。「それは、20年にも及ぶ一途なラブストーリーでした。私も経験している家族の干渉によって、恋愛を大っぴらにはできない時代があったということも伝えたくて、脚本家である妻のス・ウと物語を作っていきました」
主演の2人を演じるのは、ビッキー・チャオ(「少林サッカー」)とルー・イー(「セブンソード」)。特にビッキーは、10代の少女が30歳の女性に成長する過程を瑞々しく演じ、2人の想いが結実するラストシーンで素晴らしい表情を見せる。「彼女は、もともとTVのドタバタコメディ出身なので、動きや表情がオーバーだったんですね。その演技の型は、複雑な感情を内にたたえた本作のヒロインには向かない。ですから、何をするにも『違う、そうじゃない』と、視線やふとした顔の動きを中心に演技指導していきました。何本も主演作があるスター女優にも関わらず、大きな意気込みを持ってこの役に臨んでくれた彼女には本当に感謝したいです」
その成果は、本作で第8回上海国際映画祭主演女優賞に輝いた結果に現れている。「逆にTVの仕事に戻った際に、『なんでそんなに動きが少ないんだ?』と言われたそうです(笑)」というオマケもついたが。
最後に「“周囲の目により本心を言えない男女”とは、中国の国民の想いなのでしょうか?」と、少しうがった質問をぶつけてみた。監督は、「そんな深い意味はありません(笑)。いまの社会はもっと自由な風潮になっています。政府による映画の検閲もかなり緩やかになっていますし、私は実生活の中で映画のテーマを見つけていくタイプ。自由に映画を撮れなくて困るということは、これからもないと思いますよ」と笑った。
「初恋の想い出」は、10月4日より全国順次ロードショー。
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