武田鉄矢は「とてもかわいい」母・八千草薫&妻・伊藤蘭がほれぼれ
2013年10月9日 07:00
[映画.com ニュース] 今年101歳で亡くなった詩人・柴田トヨさんの半生を描いた「くじけないで」の完成披露試写会が10月8日、都内で行われた。主演を務める八千草薫は「トヨさんのように『いつでも人生これから』という気持ちを大切に、年を重ねていきたい」と挨拶。息子の健一さんを演じる武田鉄矢について「とてもかわいかった」と述懐すると、当の武田は「みっともない息子でごめんなさい」と定職につかない中年男性という役どころに恐縮していた。
それでも武田は「八千草さんの息子になれると聞いて、すぐに飛びついた。私も母を亡くして早15年……。おっかさん、かあさんと誰かを呼べる幸せを感じ、八千草さんに母への思いを重ねた」としみじみ。また、健一さんの妻を演じる女優の伊藤蘭も「本当にかわいくて、定職につかないのも許せちゃう」と武田の“キュートな魅力”にほれぼれしていた。
映画は処女詩集で160万部を売り上げた「くじけないで」と、第二詩集「百歳」を原作に、90歳を過ぎて詩作をはじめ、ベストセラー詩人となったトヨさんの生きる姿勢と家族のドラマを丹念に描いた。舞台挨拶には八千草、武田と伊藤に加え、檀れい、芦田愛菜ちゃん、上地雄輔、ピエール瀧、主題歌を歌う由紀さおり、深川栄洋監督が出席した。
檀と愛菜ちゃんがトヨさんの若年期、幼少期をそれぞれ演じており、「宝塚の先輩である八千草さんの若い頃を演じられるなんて、びっくりするほどうれしかった」(檀)、「栃木弁のお芝居が難しかったです。トヨさんの詩を読むと、心が温かくなり、私を応援してくれるような気持ちになる」(愛菜ちゃん)と話していた。
「神様のカルテ」「ガール」など立て続けに話題作を手がける深川監督は、本作で初めて脚本にも挑戦し「どうしても脚本を削ったり、捨てないといけない瞬間があるので、今まで監督は脚本を書かない方がいいと思っていた」。そんなポリシーを覆したのが、トヨさんの詩だったといい、「若い僕が監督で大丈夫かと思ったが、恐れずにやっていこうと思った。トヨさんの詩は優しさと素朴な視点に見ている。映画もシンプルで、登場人物のチャーミングさがよく出ていると思う」とアピールしていた。
トヨさんは、映画製作決定の報告を受けた3日後となる今年1月20日、老衰により101歳で亡くなった。「くじけないで」は11月16日から公開。