権力闘争は「日常茶飯事」舛添要一氏が政治の裏側を激白
2013年10月2日 13:00
[映画.com ニュース] デビッド・フィンチャー監督が製作総指揮として初めて手がけたドラマシリーズ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」試写会イベントが10月1日、浜離宮朝日ホール(東京都中央区)であり、国際政治学者で前参議院議員、元厚労相の舛添要一氏とジャーナリストで千葉商科大学教授の宮崎緑氏によるトークイベントが行われた。
政治の裏側を描いた作品にちなみ、日本の政治家の権力闘争を問われた舛添氏は「日常茶飯事」ときっぱり。菅義偉現官房長官が、第1次安倍内閣時代に事務所費問題が発覚し、当時の官房長官の座を逃した一件に触れ、「誰がやったのかはわかりませんが、自民党の中の権力闘争で、菅さんに官房長官にならせたくない人がいたのでは」と話し、メディアと政治家の癒着についても言及した。
第1次安倍内閣で厚生労働大臣を務めたが、「私が大臣だった時は、民主党にもやられたけど与党からも後ろからどんどん弾を撃ってきたやつがいる。毎日が戦いでした。そういう苦労をして毎日髪がなくなっていった」と冗談交じりに、党内でのつぶし合いなど実体験を交えて暴露。「権力闘争に耐えないといけないのに、みんな良く大臣になるなあ」と本音を漏らし、「私は安倍さんに言われて大臣になりましたが、安倍さんとは閣議は別にして2回しか会話してないんですから。電話で大臣になれと言われた時と、おなか痛くなってやめますと言った時」と明かし、会場を驚かせていた。
年金記録問題でマスコミにたたかれた経験を振り返り、「問題があるケースはテレビで取り上げられるけど、実は何十万の人の年金が回復されている。今でも街でおじいちゃんおばあちゃんに声を掛けられ感謝される。これは大臣をやってよかったと思うこと。政治家やメディアにも問題はあるけど、国民が鼓舞激励して良い政治家を育ててほしい」と語った。
宮崎氏は「権力の座にある人はそれなりの見識や人間性を備えていてほしい。昔は面白い政治家もいたけれど、今は小粒になってサラリーマン的。教育があっても教養がないのが一番ダメ。最初に権力ではなく、理念に力が付いてくる政治をしていただきたい」と教育者の立場から希望を述べた。
ドラマは約束されていた大臣のポストを反故にされたベテラン議員が、大統領を失墜させるために、選挙やマスコミ、スキャンダルなどあらゆる手を使って陰謀を企てる様をスリリングなタッチで描く。フィンチャー監督と「セブン」でタッグを組んだケビン・スペイシーが主人公の辣腕政治家を演じる。
「ハウス・オブ・カード 野望の階段」はスマホ向け放送局「NOTTV」で10月5日午後11時からスタート、毎週土曜午後11時放送、、映画チャンネル「イマジカBS」で10月9日午後11時からスタート、毎週水曜午後11時放送。
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