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芸術を愛した美しき“狂王”を描く歴史大作「ルートヴィヒ」が12月に公開

2013年9月16日 08:00

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ドイツがワーグナー生誕200周年に贈る歴史大作
ドイツがワーグナー生誕200周年に贈る歴史大作
(C)Global Screen GmbH / Stefan Falke

[映画.com ニュース] バイエルン王ルートビヒ2世の生涯を描く、ドイツの歴史大作「ルートヴィヒ」が、12月から全国で順次公開されることが決定した。

今年は、ルートビヒ2世が崇拝した作曲家リヒャルト・ワーグナーの生誕200周年にあたり、ドイツ映画界がその威信をかけ、約20億円の製作費で作りあげた。ドイツ連邦の統一をめぐって激しい主導権争いが繰り広げられていた19世紀半ば、ヨーロッパ一の美ぼうといわれながら、高い美意識と強烈な個性ゆえ誰にも理解されることなく、“狂王”とまで呼ばれたルートビヒ2世。ルキノ・ビスコンティ監督の「ルードウィヒ/神々の黄昏」(1972)でも語りつくせなかった波乱の人生が、格調高く描かれる。

15歳の時にワーグナーの歌劇「ローエングリン」を見たルートビヒは、白鳥の騎士ローエングリンに憧れワーグナーを崇拝する。皇太子でありながら政治にも権力にも関心を持たず、芸術だけに熱中していたが、父の急死により心の準備が整わないまま、わずか18歳にしてバイエルン王となる。その頃、王国が属するドイツ連邦では、オーストリア帝国とプロイセン王国の衝突により戦争が避けられない状況にあったが、そんな中でもルートビヒは「国民の安全に必要なのは、詩と音楽の奇跡だ」と、ワーグナーを宮廷に招き入れ独自の理想を掲げる。

公開決定にあわせて公開されたポスタービジュアルでは、ナイーブで純粋な若き王ルートビヒを演じた、ルーマニア出身の新星ザビン・タンブレアが存在感を放つ。くっきりした目鼻立ちとスラリとした体型は繊細さの中に意志の強さをにじませており、ドイツの映画賞で高く評価された才能に期待が高まる。

国の命運を左右するほどの権力を得ていくワーグナー役を「es エス」のエドガー・セルジュ、オーストリア皇后エリザベートを「4分間のピアニスト」のハンナー・ヘルツシュプルンクが演じる。また、ミュンヘンやウィーン、チロルといったルートビヒに縁のある都市だけでなく、ロマンチック街道最大の観光スポットであるノイシュバンシュタイン城をはじめ、王の夢と浪費の象徴ともいえる数々の古城でロケが敢行されており、大きな見どころとなっている。

ルートヴィヒ」は、12月から有楽町スバル座ほか全国で順次公開。


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