椎名桔平、内容も撮影もハードな「RETURN」のアクションに自信
2013年8月24日 16:30
[映画.com ニュース] 俳優の椎名桔平と山本裕典、原田眞人監督が8月24日、映画「RETURN(ハードバージョン)」の初日舞台挨拶を東京・ヒューマントラスト渋谷で行った。
ソフトバンクのスマートフォン向け総合エンタメアプリ「UULA(ウーラ)」のオリジナルドラマ第1弾として製作された作品に、タイトル通りハードで過激なシーンを加えて再編集したディレクターズカット版。撮影は昨年秋で、ストーリーには東日本大震災後の原発問題も含まれており、椎名は「福島で撮ろうという話もあったがいろいろと規制があって、結局は茨城や山梨まで毎日出かけていった。内容もハードだが、撮影もハードだった」と苦笑交じりに振り返った。
原田監督は、「もともとは『KAMIKAZE TAXI』の続編を作ろうと思ったが、(同作に主演の)役所広司さんのスケジュールが合わなかった。それで、桔平ちゃんら若い世代で撮ろうということになった」と説明。原発関連の描写に関しては、黒澤明監督がビキニ環礁問題の水爆実験を機に製作した「生きものの記録」(1955)を参考にしたそうで「全員がクセのあるキャラクターで、旬の俳優陣を見てもらいたい」と訴えた。
椎名は、暗殺の指名を受けて10年ぶりに南米から帰国した旅行代理店員という役どころ。アクションシーンで必要な南米の格闘技カポエイラを猛特訓して撮影に臨み、「足技をよく使うし、リズム感などいろいろと大変だった。夜中の1時から朝までずっとアクションという時もあったし、分かってはいたけれど打ち身だらけ。大きなケガがなくて本当に良かった。他にはない映画になった」と自信のほどをうかがわせた。
原田監督とは4作目となり、「『金融腐蝕列島 呪縛』で銀行員の役をやって以来、価値観が変わったというか、役者として感化され刺激をもらったとあらためて思う。監督の世界観がすごく好きで、1作ごとにファンとして待ち望んでいる」と最敬礼。今回の現場でも“座長”として先頭に立ち、「原田組の経験者が少なかったので、空気感を知っている者としてその緊張感を持ち続けていようと思っていた」と打ち明けた。
その姿勢に影響を受けたのが山本で、「集中力がすごく、本当に怖くて話しかけづらかった。でも、背中で語ってくれていたので、いろいろと勉強になった」と心酔した様子。自身は右のふくらはぎと尻にワシの入れ墨を入れている設定で、「お尻の部分はドラマだと蒙古斑(もうこはん)にしか見えなかったけれど、スクリーンではしっかり分かると思う」と強調していた。これに原田監督が反応し、「(入れ墨の)間にある裕典の美しいお尻に注目して」と客席を埋め尽くした女性ファンに“観賞のすすめ”をしていた。