森山未來「夫婦善哉」出演決意の理由は「尾野真千子が面白そう」
2013年8月8日 05:00
[映画.com ニュース] 森山未來と尾野真千子が夫婦を演じるNHK土曜ドラマ「夫婦善哉」の完成披露試写会が8月7日、都内の同局で行われ、主演の森山と尾野、櫻井賢チーフ・プロデューサーらがそろって出席した。
同作は、大正から昭和へ、大阪が日本一華やかだった時代に生きた“あほ”な男と女の究極のラブストーリー。“オダサク”の愛称で親しまれた、大阪が生んだ文豪・織田作之助の原作を初めてドラマ化する。
劇中の着流し姿と着物姿で登場した森山と尾野は、約3カ月にわたる大阪での撮影をしみじみと振り返った。化粧品問屋の放蕩息子・柳吉を演じた森山は、「今回の撮影ですごく大阪が好きになりました。ええもんもわるいもんも一緒にしてぐちゃぐちゃにして、ニコニコ笑っているような、そんなすごくふくよかな場所で過ごせたことは財産になりました」と述懐する。
一方、尾野は柳吉と恋に落ち、芸妓の道も家族も捨てて愛に生きる蝶子に扮した。「漠然と“夫婦善哉”という作品は知っていましたが、私たちらしい、私たちだからこそできる『夫婦善哉』をやってみたいと思いました」と、1955年に森繁久彌と淡島千影で映画化されている過去の作品は意識せずに挑んだと明かした。
ふたりの名前は企画段階から挙がっていたそうで、起用理由についてチーフ・プロデューサーの櫻井氏は「2人とも演じている人間に嘘がない。そんなふうに役の人生を(リアルに)表現できる役者なら、きっと“夫婦善哉”をパワフルなものにしてくれるのではないかなと」と説明。そして、「尾野さんは『カーネーション』を見ていて、彼女が蝶子を演じたらきっと面白いと思いましたし、森山さんに関しては、あほな男をやったら日本一(笑)、愛すべきあほを演じられるのはこの人しかいなかった」と称賛した。
また、オファーを受けた理由について「原作を読ませてもらって、この世界この男女の営みをやってみたいと思ったのと、相手が尾野真千子さんなのでおもしろそうだなと思いました」という森山の言葉を受け、尾野も「生活力がなくても女グセが悪くても、蝶子はそれを全部受け入れた。“どうしようもない人”というのが、蝶子にとって魅力だったんだと思います」と語り、視線を交し合っていた。
NHK土曜ドラマ「夫婦善哉」は8月24日から4週連続で放送。