清水宏監督短編「ともだち」出演のソン・ファンチャン氏来日 天才子役時代を振り返る
2013年7月21日 23:00

[映画.com ニュース] 名匠・清水宏監督の短編映画「ともだち」(1940)で主演を務めたソン・ファンチャン氏(俳優名・李聖春)が7月21日、東京・京橋の東京国立近代美術館フィルムセンターで開催中のレトロスペクティブ「生誕110年 映画監督 清水宏」の舞台挨拶のため来日し、当時の貴重な撮影を振り返った。
日本映画のようらん期から戦後の黄金期まで、約35年間で164本の映画を製作した清水監督は、先進的なリアリズムや独創的な作風で注目を集めた巨匠。「ともだち」は第2次世界大戦中に朝鮮で撮影された国策短編映画で、日本人少年と朝鮮人少年の心の交流をコミカルに描いた。現存のプリントは音声が欠落しているが、本特集での上映が決定した。
29年に韓国ソウルで生まれたソン氏は、撮影当時を振り返り「私は小学4年生で11歳、清水監督が御年37だった。まるでお父さんみたいで色々と親切なご指導のもと、俳優として素質があったわけでもないけれど、何とかして映画に出演することができた。うれしく思う」と挨拶。本作をきっかけにチェ・インギュ監督作「家なき天使」にも出演し、名子役として注目を浴びた。
ソン氏も公開時の試写以来の鑑賞となり、「昨日73年ぶりに見た。爆弾小僧と評判の名子役だった横山準君が相役のおかげで、映画が上映された時には私も一躍有名になって『天才子役現れる』と特筆された。しかし、夭折(ようせつ)せずに生きながらえたことは天才じゃなかった証拠」と冗談まじりに語った。
回顧上映「生誕110年 映画監督 清水宏」は8月7日まで開催中。
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