ダルデンヌ兄弟の秘蔵っ子ジェレミー・レニエ、「マイ・ウェイ」作ったフレンチ・ポップスの大スターに
2013年7月19日 14:20

[映画.com ニュース] 「クロクロ」の愛称で、60年代後半から70年代のフレンチ・ポップスを代表する存在であったシンガーソングライター、クロード・フランソワの伝記映画「最後のマイ・ウェイ」が7月20日公開する。アメリカ的なエンターテインメントに影響を受け、きらびやかな衣装で歌って踊った彼は、フランスでは国民的な人気を得ていたものの、あのフランク・シナトラのヒット曲「マイ・ウェイ」の作者でもあったことは、世界的にあまり知られていないに違いない。本作はそんな事実はもとより、その陰の一面にスポットを当て、39歳で夭逝した彼の生涯を描く。扮するのはダルデンヌ兄弟の秘蔵っ子にして、今回の演技でフランスのアカデミー賞にあたるセザール賞にノミネートされた演技派、ジェレミー・レニエ。半年の準備期間をかけたという彼に、その経験とクロクロ観を語ってもらった。(取材・文/佐藤久理子)
「実を言うと、僕自身はクロクロにはあまり興味がなかったんだ(笑)。もちろんヒット曲は知っていたけれど、彼はどちらかというと僕の両親の世代のスターだ。だからこの映画をやることで、僕自身も彼を発見した。彼のすごいところは決して立ち止まらなかったこと。あの時代に自分のレコード・レーベルを持って、自分の香水を発売したほどだ! すごくビジネスの才があった。まるで俳優のように自分のイメージを演出していたんだ」
(C)Tibo & Anouchka「長い道のりだったよ。ほぼ半年間ダンスと歌の特訓を受けた。僕は歌の素養がまったくなかったし、彼のような身のこなしをマスターするのは大変だった。当時のテレビ番組の映像を見たり音楽を聴いて研究した。それから彼の家族や近しかった人たちに会って話を聞いた。なかには人気者だった彼のイメージを壊したくなくて、あんまり話したがらない人もいたけれど」
「まずはその才能だ。彼はヒット曲を作るのにとても長けていた。初期にはジャズとかR&B的なものもやっていたけれど、大衆に受けるポップスに路線を変更したんだ。彼は大衆に愛されることを必要としていた。それは彼と父親の複雑な関係に由来すると思う。父親はとても厳格で、最後までショービズ界にいる息子のことを認めなかった。だから彼はつねに人から十分に愛されていないという印象を持っていた。どんなに成功しても、その陰でいつも苦悩していた」
「僕は大好きだよ。そのプロセスが一番楽しい。どんな振る舞いでどんな話し方をして、どんな目つきなのか。自分じゃない誰かになってその世界に浸るのが、この仕事のもっとも面白いところだと思う」
「最後のマイ・ウェイ」は7月20日からBunkamuraル・シネマほか全国で公開。
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