東京で初冠番組! 桂雀々、芸歴35年50歳で決意の上京を語る
2013年4月1日 06:00

[映画.com ニュース] 大阪で愛され、多くのレギュラーを抱える安定を捨て、50歳を超えて上京した男がいる。落語家の桂雀々。芸歴35年で再スタートを切ってから1年半。東京で初の冠番組をつかんだ。BS12ch「TwellV」で始まる「桂雀々の大判小判がじゃくじゃく~BS12お宝噺~」(4月13日~土曜午後1時)。「他にない“濃い”番組にしてやりたい」と意気込む。
故・2代目桂枝雀さんの弟子。その実力とともに関西では誰もが知る存在で、明石家さんま、やしきたかじん、上岡龍太郎さんら大物からも愛される。なぜ大阪を離れたのか。「40歳過ぎてから、いつか東京へと考えて行き来していたんですわ。落語家は60歳からだと思っていて、大阪はやり尽した、もっと古今東西のいろんな人にあって芸を磨かないと、と。50歳を機に決意したんです」。
米朝事務所を円満退社し、おととし11月に東京に拠点を移した。「裸一貫で行きたいと話をして、ざこば兄さん、南光兄さんもこころよく送り出してくれた。枝雀師匠もきっと『そういう弟子が一人くらいおらんとあかんわ』と言ってくれたはず」。
家族も「お父さんはそんな人やろ」と反対せず、背中を押してくれたという。住み慣れた大阪の一軒家を処分し「だれからもバカだと言われますねん」。長女とは東京で一緒に住み、妻と長男は大阪に残って暮らしている。
大阪のレギュラーも月1のラジオだけに。バカができる背景には、自叙伝「必死のパッチ」(幻冬舎)にまとめた、幼少期の強烈な経験がある。両親が蒸発、借金取りに追いかけられて育った。それでも「なんとかなるもんや」。その生き方に魅せられ、協力者は尽きない。さんまもその一人で、4月の独演会にゲスト出演する。
月亭八方いわく“本籍のない密入国者”。東京では、どこにも籍を置かず気まま。あちこちから声がかかり、順調に軌道に乗りつつあり「どこにでも顔を出させてもらえて、すごく良いポジション」と充実感をにじませる。「大阪に帰る気はまったくない」と言い切り、「大阪にも呼ばれるけれど、逆に落ち着かないですよ」。
東京初の冠番組では、全国の個性あふれる人に話を聞きに行く。浅草サンバカーニバルの仕掛け人・冨永照子さん、カリスマ大家・鈴木ゆり子さん、女性世界初のエベレスト登頂者・田部井淳子さんら。「癖のある人ばっかり。大阪のおばちゃん的なノリで懐に飛び込んで、その成り上がりを自慢してもらう。僕を知らない東京の人にも楽しんでもらえるはず、絶対に見てほしい」とアピールする。
「癖のある人が好きだし、僕も癖のある人間でいたい。この番組でいろんな人をパクってね、本業に生かして、10年後、60歳になったときに、それはそれは、かわいらしい、ちょかちょかした素晴らしい師匠になっているでしょう。60歳までが勝負ですわ」。師匠・枝雀さんがこの世を去ったのが59歳だ。(映画.com×文化通信.com)
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