ポルトガルの新星ジョアン・ペドロ・ロドリゲス監督が来日! 長編デビュー作「ファンタズマ」を語る
2013年3月28日 19:05

[映画.com ニュース] ポルトガルの新星ジョアン・ペドロ・ロドリゲス監督の特集上映「ジョアン・ペドロ・ロドリゲス レトロスペクティヴ」が3月23日からアテネ・フランセ文化センター(東京都千代田区)で開催され、同日ロドリゲス監督が来日しティーチインを行った。
この日は長編デビュー作「ファンタズマ」が上映された。「私は15歳頃から、映画より生物学を学ぼうと考えており、鳥類学者になりたかったのです。動物と人との関係性がこの作品の中に表れているのではないでしょうか」と観客に問いかける。そして、「この作品では私が子ども時代に見た場所、その場所が抱えている魅惑的なミステリーをあぶり出してみようと試みました。私が住んでいるリスボン北部で撮影しました。場所というものを探求する中でもっとも注目したのがゴミを収集する人たちで、彼らは存在し、街の中で実際仕事しているのに、誰も彼らを見ないので、幽霊(ファンタズマ)としました」と着想を明かした。
現実のリアルな描写に根ざしつつ、濃厚な夢や幻想、性的な妄想を取り入れた作風が特徴だ。「リアルなものこそフィクションを生みだしてくれる。フィクションは現実をファンタスティックな世界感に転換したものだと思っています。現実をフィクションというツールを使って転換するということです」と劇映画に対する持論を述べた。また、無声映画やアメリカの40~50年代のB級映画、そしてアニメを好み、日本の60年代の怪獣映画にも影響を受けていることを明かした。
また、この日はロドリゲス監督の創造的パートナーで、美術監督、共同監督を務めるジョアン・ルイ・ゲーラ・ダ・マタ氏も共に来場した。マタ氏は「私はグラフィックデザイナーをしており、この作品で初めて映画にかかわりました。そしてその魅力に没頭していきました。ロドリゲスから学んだ映画作りで最も大切なことは映画学校に行くことではない、とにかく多くの映画を見て、作品に接することが映画作りにつながっていくということです」と語った。
ロドリゲス監督は2005年に発表した「オデット」でカンヌ映画祭特別賞を受賞し、ヨーロッパで高く評価されている。日本初の特集上映ということもあり、会場となったアテネ・フランセには多くの映画ファンが開場前に長蛇の列をなした。
短編を含む12作品を一挙上映する「ジョアン・ペドロ・ロドリゲス レトロスペクティヴ」は、アテネ・フランセ文化センター、川崎市市民ミュージアムで3月31日まで。また4月9日から、大阪・中之島デザインミュージアム、大阪・シネ・ヌーヴォなど関西でも上映。詳細は公式HP(http://dotdashfilm.com/)に掲載。
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