山下敦弘監督が語る「午前3時の無法地帯」と新・映像視聴スタイル
2013年2月22日 13:37

[映画.com ニュース] 人気モデルで女優の本田翼がオダギリジョーを相手役にドラマ初主演を果たす「午前3時の無法地帯」(原作ねむようこ)が、dビデオ&BeeTVにて3月20日より配信スタート。同作のメガホンをとった山下敦弘監督(「リンダ リンダ リンダ」「苦役列車」)に、作品、そして“携帯デバイスで映画やドラマを見る”というスタイルについて聞いた。
ドラマを製作するに当たって、「実際にスマートフォンで(映像を)見てみた」と言う山下監督。「結局、お風呂に浸かりながら上島竜平さんのバラエティばかり見ていたんですけど(笑)、すごくいいなあと思いました。持ち運びができてどこでも見られる。それが新しいんじゃないでしょうか」と、これまでにない視聴スタイルの良さを語る。
“映画”についても、「2時間引きつけるという意味では、映画館が一番実力を発揮できるんでしょうけど、考えてみれば、自分が中学生のころにレンタルビデオが出てきて、トータルではきっと映画館よりもテレビモニターで映画を見ている方が多い世代なんだと思います。じゃあそのテレビがスマートフォンに変わって、何が違うの?って」と持論を語り、「若い人には(映画を見るツールとして)いいんじゃないかと思います」と続ける。
確かに、映画館やテレビ以外にも、パソコン、スマートフォンなど、いまや映画を見られる環境は多岐にわたり、“何で見るか?”の垣根は世代が若くなるほど薄れていくようにも思える。
「(スクリーンで見るという形の)映画がなくなるとは思わないんですけど、どんどん変わっていくのかもしれないですね。一昨年の『モテキ』なんて、お客さんが『ふだん映画なんて見に来てないだろ!』っていう人ばっかりで、見事に“お祭り”になっていましたよね。すごく力のある映画だし、ああいう客層まで巻き込むのってすごく健全だと思うんです。(劇場にこだわる従来の)映画ファンは映画ファンでありだと思いますけど、こういう形の映画があってもいいかなと思うんですよね」
そんな山下監督も、映画のみならず、テレビやミュージックビデオなど、フィールドにとらわれずに活躍を続けている。今回の1話約15分の連続配信ドラマも、監督にとっては「1話1話が勝負」という新しい挑戦だった。「午前3時の無法地帯」では、デザイン会社に勤務するイラストレーター志望のももこ(本田)の成長が、同じビルで働く多賀谷(オダギリ)との恋とともに描かれていく。
「本田さんも(ドラマ初主演で)お芝居に慣れていなかったはずでしたし、じっくりと撮影できたことで吸収してくれたというか、最初と最後で印象が違って見えるのが醍醐味なんじゃないでしょうか。多賀谷というキャラクターもいわゆる少女マンガの“王子様”なんですけど、オダギリさんが演じたことで、見事に立体化されたなあと思います」
監督デビューから14年、「自分の生理や方法論、監督としての根っこは変わらない」としながらも、“映画”とは違う形に挑むこともいとわない山下監督。「今回の試みが一般の方にどう映るのか、期待と不安が半分半分なんです」と締めくくった。
「午前3時の無法地帯」は、3月20日から配信スタート。
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