中国高官、自国でのハリウッド映画の相次ぐヒットに強い懸念
2012年11月13日 12:15
[映画.com ニュース] 外国映画に対する規制を緩和した中国が、ハリウッド映画の脅威を感じていることが政府高官の発言によって明らかになったと、Deadlineが伝えた。
中国は外国映画の国内上映を年間20本に制限していたが、今年2月に次期指導者となる習近平国家副主席が訪米時に、3D映画やIMAXなど高画質方式の映画作品の参入をさらに年14作品許可する取り決めがなされた。
中国は、世界貿易機関(WTO)などからの国際的な圧力もあり市場を開放したわけだが、その後、ハリウッド映画が中国で次々と大ヒット。中国のラジオ・テレビ放送、映画などのメディアを統括する機関、中国国家広播電影電視総局の副局長を務めるTian Jin氏は、「中国映画はいま大きな圧力に直面している」と会見でコメントした。
今年10月までの1年間の総興行収入は21億ドルと、昨年対比で4割増だが、中国映画のシェアは4割しかないという。「中国映画はもっと競争力をつける必要がある」と自国の映画業界にはっぱをかけた。なお、中国に関しては、自国映画の保護のため、ハリウッド映画の興行に不利な条件を設けているとの批判がある。
7月27日には、「ロラックスおじさんの秘密の種」と「アイス・エイジ4 パイレーツ大冒険」というCGアニメ2作品を同時に公開し、8月28日にも「アメイジング・スパイダーマン」と「ダークナイト ライジング」というアメコミ映画2作品を同時に公開している。この批判に対し、Tian Jin氏は配給を決定するのは国営企業のChina Film Groupであり、政府の関与はないと否定している。