石原慎太郎、新党結成後は映画監督に!?「90歳になったら監督する」
2012年10月26日 17:51
[映画.com ニュース] 東京都知事辞任を表明した石原慎太郎氏が10月26日、東京・六本木ヒルズで開催中の第25回東京国際映画祭で、製作総指揮を務めた映画「青木ヶ原」が特別招待作品として上映されたことを受け、メガホンをとった新城卓監督、主演の勝野洋、矢柴俊博とともに舞台挨拶に登壇した。石原氏は、「知事をさっさと辞めて映画を撮るつもりが、ちょっと道を間違えて見ていられなくなった。90歳になったら監督をするよ」と石原節で盛り上げた。
石原氏は25日、都庁で緊急会見し知事職辞任を表明。新党を結成し党首として次期衆院選の比例代表に出馬することを明かした。1999年の知事選に出馬し当選すると、11年4月の統一地方選で4期連続当選。今年4月には尖閣諸島を都が購入することを発表し、物議をかもしていた。任期が15年4月までだったこともあり、国政復帰については否定していたが、最近は尖閣諸島の国有化が決まってから新党結成を示唆する発言が増えていた。
新城監督は、「ウィークデーのど真ん中だからお客さんが入るか心配だった。でも昨日、石原さんがどでかい爆弾をぶん投げてくれたから、きっと来るだろうと思った」とホッと安堵の表情。石原氏は「そんなもんなくても来るよ」と語ったが、3度目のタッグとなる新城監督について「なかなか腕をあげた。柄が悪いから作品の評価はイマイチなんだけどな」とご機嫌だ。
今作には石原氏が1シーンだけ出演しているが、新城監督は石原氏の演技を「イマイチ」と一蹴。そして、「僕は沖縄出身。オスプレイや婦女暴行事件がある。沖縄県民の魂の叫びを撮ろうと思う」と意気込んだ。隣で聞き入っていた石原氏は、「いやあ、映画っていいもんですね」と締めくくり、報道陣向けの写真撮影もそこそこに立ち去った。
「青木ヶ原」は、石原氏の短編小説集「生死刻々」に収録されている一編が原作。自殺多発地として知られる富士山麓の青木ヶ原樹海を舞台にした怪談で、主人公の村議・松村が青木ヶ原の遺体一斉捜索で、幽霊の滝本に導かれて遺体を発見するところから始まる。自殺者が年間3万人を超える現代日本の姿を切り取り、人と人の絆の不思議さや命の大切さを訴える。
「青木ヶ原」は、2013年正月第2弾で全国公開。