池上彰氏が「イラン問題への理解が深まる」と「アルゴ」を徹底解説
2012年10月4日 22:00

[映画.com ニュース] ベン・アフレックが監督・製作・主演を務め、イランで実際に起きた米大使館人質事件の救出作戦を描いたサスペンス「アルゴ」のプレミア試写会が10月4日、都内で行われ、ジャーナリストの池上彰氏と日経新聞編集委員の春原剛氏が本作の解説を行った。
1979年11月4日、イラン革命が激化するテヘランで過激派が米大使館を占拠し52人が人質となるが、脱出に成功した6人のアメリカ人が秘密裏にカナダ大使の自宅に身を潜めていた。CIAの人質救出専門家トニー・メンデス(アフレック)は6人を安全に国外脱出させるため、「アルゴ」という架空のSF映画を企画し、彼らをその撮影スタッフに偽装して出国させるという大胆不敵な作戦を提案、実行に移す。
池上氏は、「05年にフリーランスとなり、身銭をきってイランの状況がどうなっているのか見に行った。その記憶をもとに試写を見たら、テヘランの町並みや当時走っていた車、バザールなどの雰囲気がとても良く出ていました」と感心しきり。また、CIAエージェントを演じるアフレックを「本当にかっこいい。典型的なエージェントで、イランに溶け込むタイプ」と絶賛していた。
政治や宗教など複雑な問題が絡む本作だが、「当時は民主主義者や民族主義者、ロシアに影響を受けたマルクス主義者など色々な人々がいた。現地にいたかどうかは確証がとれないけれど、現在のイランの大統領もそれら勢力の中にいて、占拠事件をきっかけにどんどん力をつけていった。『こんなことまさか』と思う人もいるかもしれないけれど、すべて史実に基づいているということを念頭において見てほしい」と強調。そして、「イランの核開発疑惑をめぐり、イスラエルがいよいよイランを攻撃するかもしれない。すべてはあそこから始まったという歴史観を持ってご覧になると、イランをめぐる問題への理解が深まるのでは」と熱弁をふるった。
春原氏は、「イランの核開発は、現在オバマ政権にいる高官、つまりカーター政権の時に係長みたいだった人々にとって人質大使館のリベンジマッチ。あの時の事件が現代にまで通じているのがよく分かる」と分析。また、「大使館襲撃のシーンが北京の暴動に重なり、日本大使館が襲撃されたらどうなるのだろうと考えた」と大胆発言し、池上氏は「かなりヤバイところまで発言してますね」と冷や汗をかきながらフォローに努めた。
「アルゴ」は10月26日より全国公開。
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