堤真一「俺はまだ本気出してないだけ」で外見真逆のダメ男に
2012年7月23日 06:00
[映画.com ニュース] 俳優の堤真一が、映画「俺はまだ本気出してないだけ」に主演することがわかった。「このマンガがスゴイ!2009」にランキングされた原作は、青野春秋氏の代表作。映像化に際し20社以上からのオファーが殺到した今作で、堤は共演の橋本愛、生瀬勝久、山田孝之、濱田岳、石橋蓮司らとともに、体型もキャラクターも異なるダメ男に挑むことになった。
堤が演じるのは、41歳で会社を突然辞め漫画家を目指す冴えない中年男・大黒シズオ。メガホンをとる福田雄一監督(「大洗にも星は降るなり」「勇者ヨシヒコと魔王の城」)から原作を渡され、「どの役をやるんだろうと思っていたら『堤さんを主人公のシズオ役という設定で映画化の権利を取ろうと思っている』と。どう考えても体型もキャラも違うので、冗談かと思っていたら原作者からOKが出て『え? 本当にやるの?』と(笑)」と経緯を明かす。それでも「脚本ができて読んでみたら、原作の良さと監督のセンスが混ざって、とても面白いものになっていまして、やらせていただくことになりました」とコメントを寄せた。
撮影前半は役どころをつかむのに苦労したそうで「原作の絵のイメージが強くて、しゃべり方も含めて何かつけ加えて演じなくては、と思っていた」という。それでも、「共演者の生瀬さんや山田くんと演じているうちに、役者として楽しめればそれで十分かなと思うようになって、気が楽になりましたね」と振り返る。
福田監督は、かつて脚本を手がけた舞台で堤と顔を合わせている。「映画や舞台では2枚目の格好いい主人公を演じることが多い堤さんが、舞台を終えて飲みに行くと決してそれだけではないということを知りまして(笑)」とオファーに至った背景を説明。さらに、「僕は原作を忠実に映画化することに抵抗があるんです。原作に似た方をキャスティングして『似ているね』と言われることは全くうれしくない。今回も、普通に考えると『まさかあの堤さんが、こんなだらしないオッサン役を?』と思うかもしれませんけど、脚本の段階で『堤さんだな』と考えていまして、その狙いはばっちりハマったと思います」と手ごたえをつかんだ様子だ。
「俺はまだ本気出してないだけ」は、2013年に全国で公開。