K・スチュワート、R・パティンソンとそろい踏み 若松監督は感慨かみ締める
2012年5月28日 11:10

[映画.com ニュース] 第65回カンヌ映画祭も終盤を迎え、ブラッド・ピット、ニコール・キッドマン、クリステン・スチュワートらハリウッドスターが続々とレッドカーペットに登場し、クロワゼット通りを沸かせた。
今回はアンジェリーナ・ジョリーを同伴することなく、レイ・リオッタら共演者、スタッフと共にカンヌ入りしたピットの新作「Killing them softly」は、「ジェシー・ジェームズの暗殺」でコンビを組んだアンドリュー・ドミニク監督の新作。ポーカー賭博中の強盗事件が元で暴力の連鎖が広がっていく様子を、直接的なバイオレンス描写も含み乾いたトーンで描く。長髪スタイルのピットの、久々のタフガイぶりが印象的だ。
「プレシャス」のリー・ダニエルズがキッドマン、マシュー・マコノヒー、ザック・エフロンらを起用した「ペーパーボーイ」も、挑発的な女性に扮したキッドマンの変身ぶりが新鮮。フロリダの湿地地帯で起きた殺人事件の死刑囚と、献身的に尽くす妻、事件に関心を寄せスクープを追いかける地元出身のテレビリポーターとその弟らをめぐり、物語は意外な展開を見せる。サンスペンスとドラマ、娯楽性と社会性の間でバランスのとれた作品だが、海外の批評は賛否が分かれたようだ。
同様に、ウォルター・サレスがジャック・ケルアックの「路上」を映画化した「オン・ザ・ロード」も、反応に温度差が見られた。とはいえ、ケルアック役にあたるサム・ライリーをはじめ、ギャレット・ヘドランド、クリステン・スチュワート、ビゴ・モーテンセンら、キャスト陣のアンサンブルが素晴らしく、アメリカの原風景をとらえた映像とともに見応えはたっぷり。レッドカーペットには、スチュワートのパートナーで、デビッド・クローネンバーグの「コズモポリス」でカンヌ入りしたロバート・パティンソンも出席し、報道陣を喜ばせた。

「ある視点」部門に出品された若松孝二の「11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち」は、現地時間の25日夜に正式上映を迎えた。三島の切腹シーンでは、そのリアルさに観客がぴくりと体を動かすなど、ダイレクトな反応が見られ、上映後には温かい拍手が会場に鳴り響いた。若松監督がカンヌを訪れたのは、71年に「犯された白衣」「性賊セックスジャック」が共に監督週間に選ばれて以来、41年ぶり。三島役の井浦新、共演の満島真之介とともに臨んだ上映後の会見では、「ヨーロッパの人々は自分の映画をとてもよく理解してくれている印象がある。三島由紀夫は作家として有名だが、この現代に自決をした彼の生き方は、誰も真似のできないこと。そんな彼の、あまり知られていない面を海外の観客に示したかった」と感慨をかみ締めながら語った。(佐藤久理子)
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