ジャーナリスト津田大介、基地問題と原発問題の類似点を指摘
2012年4月8日 20:45
[映画.com ニュース] ドキュメンタリー映画「誰も知らない基地のこと」の公開を記念し4月8日、インターネット論やメディア論の分野で活躍するジャーナリストの津田大介氏が都内の劇場でトークショーに出席した。
世界約40カ国700カ所以上に存在する米軍基地の問題について、イタリアの若き2人の映画監督が綿密な取材を敢行。ビチェンツァ(イタリア)、ディエゴ・ガルシア(インド洋)、沖縄の普天間基地の騒音や兵士による事故に苦しむ住民の姿、専門家へのインタビューなどを通じて、米軍の姿と軍産複合体の真実を暴く。
津田氏は沖縄を訪れたばかりで、普天間基地界隈にも足を運んだそうだが「基地のそばに保育園などもあるんですが、ずっと音が聞こえるんです。基地ができて、その後に住宅地ができたというのは事実なんですが、他の基地と比べても人が住んでいるところが近くてインパクトがありました」と述懐。基地の問題については「専門分野ではない」と前置きしたうえで、「僕らが知らないことを伝えることが必要。なぜ我々はこの問題について当事者として感じられないのか? なぜ海外の映画にできてテレビや新聞、フリーランスも含めたジャーナリズムにできないのかというもどかしさを感じました」と話した。
国防という国家全体の問題であるにもかかわらず、その75%が沖縄に集中しているという現状を、原発問題や震災ガレキの処理問題とも通じる部分があると指摘。「震災の直後は日本がひとつにまとまったと思いますが、具体的に解決方法を進めていかないとバラバラになってしまう」と指摘。「本来ならシステムや国家に人々の怒りが向けられるべきなのに、人が人を非難する状況になっており、それでは権力者の思うツボ。国民を巻き込んで進めるにはどうしたらいいか? 『アラブの春』などの例もありますが、インターネットやソーシャルメディアを使い、日本なりにアレンジして進めていくしかないのでは?」と訴えた。
劇中でイタリアの人々が陽気にデモをする姿に触れ、「“共有”することが大事。どうやって人々に当事者として感じてもらうのか? 『自分たちに全て正しさがある』という物言いで反対するだけでなく、未来のビジョンを共有しないといけない。日本人の一番苦手なところかもしれませんが、しかめ面ではなく楽しんでやることが大事」と呼びかけた。
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