「ラーメン侍」渡辺大、手に火傷も“名誉の負傷”に胸張る
2012年4月7日 16:42
[映画.com ニュース] とんこつラーメン発祥の地・福岡県久留米市を舞台にした映画「ラーメン侍」が4月7日、全国10スクリーンで封切られ、主演の渡辺大、山口紗弥加、瀬木直貴監督が東京・新宿バルト9で初日舞台挨拶に出席した。
父の他界を機に東京のデザイン事務所を辞め、故郷・九州で家業のラーメン店を継ぐことになった青年・光が、記憶を頼りに父の味を再現しようと試行錯誤する人情ドラマ。人気ラーメン店「大砲ラーメン」のオーナーで、ラーメンフェスタの発案者でもある香月均氏が地元誌に連載していたコラムをもとに映画化。昨年10月に福岡・博多をはじめ九州エリアで先行上映された。
渡辺は先代・昇、息子の光の一人二役に挑み、撮影前には実際にラーメン屋で修行を行ったといい「朝はスープの仕込みに始まり、チャーシューをタコ糸で巻いたり、まかないを作ったり。賃金のないバイト、つまりタダ働きで(笑)」。調理中に油がはね、手に火傷を負ったが「僕も器用なほうじゃないし。今後、僕の一部として一生付きあいたい」と“名誉の負傷”に胸を張った。
福岡出身の山口は、型破りな昇を支えた妻であり、光の母親・嘉子役で、18歳から53歳までを演じきった。「さすがに50代は未知の領域で、いくら想像しても不安ばかりが募ってしまった」。それでも「町ゆく素敵な50代の方々をモデルに、たたずまいを参考にした」と役作りを述懐。瀬木監督は「九州の食文化を題材に、家族や地域のきずなという普遍的なテーマを描くことができた。より多くの人に見てほしい」と全国公開に喜びもひとしおだ。
舞台挨拶には原案の香月氏とともに、ジャーナリストで「福岡屋台復興委員会」の委員長を務める鳥越俊太郎が応援に駆けつけ「(実家の)福岡に帰ると朝、昼、晩と3食ラーメンを食べるほど。『よかたい』といった筑後の言葉がこんなにふんだんに登場する映画は初めて」とアピール。親族が経営する「鳥越製粉」が本作に特別協賛しており「ぜひ、この映画を通して、久留米のことをもっと知ってほしい」と熱弁した。