上戸彩主演で「こだまでしょうか」金子みすゞ生涯ドラマ化
2012年3月30日 05:00

[映画.com ニュース] 東日本大震災後にACジャパンのCMで再評価された大正末期~昭和初期の童謡詩人・金子みすゞの生涯が、TBS系でスペシャルドラマ化されることがわかった。タイトルは「金子みすゞ物語 ‐みんなちがってみんないい‐」。女優の上戸彩が、みすゞ役で主演する。3月29日、同局で発表会見が行われた。
金子みすゞは明治36年に生まれ、大正の終わり頃から詩壇で活躍。512編の作品をつづるも、昭和5年に26歳の若さで自らこの世を去った。没後80年以上を経てなお、その優しく温かみのある作品群は人々を魅了。震災後に多数放送されたACジャパンのCMでは、印象的な「こだまでしょうか」で日本中を癒した。
上戸も「みすゞさんの詩は、震災後にCMでよく耳にしていました」。その詩の魅力を「すごく女性らしく柔らかく優しい、だけど人生の悲しさも見えてくる」と話した。出生の秘密を知らない弟との関係、親友との死別、夫の失業、病気など幾多の困難に遭いながら、短い人生をたくましく明るく生きたみすゞ役を全力で演じ切る覚悟。「私の代表作になるよう、悔いの残らないよう頑張る」と力を込めた。
「渡る世間は鬼ばかり」の石井ふく子プロデューサー念願の企画。25年来のみすゞファンで、2001年にも松たか子主演で同題材のドラマを手がけている。「まだまだ描けることがあるんじゃないか。もうひとつ踏み込みたいなと。主演は上戸さんと心に決めて彼女のスケジュールが空くのを待っていた」と熱い思いを明かした。
みすゞが実の姉であることを知らず愛してしまう弟・上山正祐役で、タッキー&翼の今井翼が久々のドラマ出演を果たす。「このような素晴らしい作品に携われてうれしい。役者として成長できるよう頑張りたい」と気合い十分。上戸と今井は映画・ドラマでは初共演で、上戸が「台詞覚えが悪くて1週間前から覚えないと」と言うと、今井は「僕は1カ月必要です」と笑わせていた。
語り継がれる女流童謡詩人の青春時代から結婚そして死まで、その詩を散りばめながら描く。2月に急逝した脚本家・清水曙美さんの遺作となった。上戸、今井のほか、西郷輝彦、高島礼子、奈良岡朋子、駿河太郎、西原亜希、泉ピン子、松村雄基、小林実由、大和田美帆、丹羽貞仁、岡本信人らが出演する。9月までに放送を予定している(日時は未定)。(映画.com×文化通信.com)
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