アップルのiCloudサービスに米スタジオ5社が参加
2012年3月10日 10:00
[映画.com ニュース] 新型のiPadとApple TVを発表した米アップルが、iCloudでの映画提供を開始したと、ロサンゼルス・タイムズ紙が発表した。
iCloudは、自分の音楽や写真、書類などのコンテンツをさまざまなアップル製デバイスで共有するためのクラウドサービス。アップルのiTunes Storeで購入した映画は、iPad、iPhone、Apple TVなどで共有できるようになった。現在は、パラマウント、ソニー、ウォルト・ディズニー、ワーナー・ブラザース、ライオンズゲートの5社の映画作品のみ対応だが、20世紀フォックスとユニバーサルも近く対応する見込みだという。
ハリウッドの映画スタジオが同社に協力的なのは、アメリカでデジタル購入される映画の約75%がiTunes Storeのものであるという現実がある。ただし、定額制レンタルの台頭とともに、購入からレンタルへと切り替えるユーザーが増えており、iTunes Storeでも昨年の映画のデジタル購入のシェアは50%から33%に落ちているという。レンタル料金が4~5ドルなのに対し、デジタル購入は15~20ドルであるためスタジオにとっては利益が大きい。
また、新型Apple TVも、スタジオにとっては追い風となる可能性がある。前モデルは容量の問題からレンタル映画のみの再生が可能だったが、iCloudとの連動で購入した映画も再生ができるようになった。スタジオ側にとっては、iCloudは彼らが推進する新デジタル配信方式のUltraVioletのライバルとなるが、映画のデジタル配信全体を盛り上げることを優先したようだ。