米ワーナー2作品、予算削減で製作中止の危機に
2011年12月14日 18:10

[映画.com ニュース] 米ワーナー・ブラザースが製作費の削減に躍起になっていると、Deadlineが報じている。
同社は、中世騎士伝説を新解釈で描く「アーサー&ランセロット(原題)」の製作準備を進めていたが、監督・脚本のデビッド・ドブキン(「シャンハイ・ナイト」「ウェディング・クラッシャーズ」)に他スタジオへの持ち込みを提案。同作は、「Game of Thrones」のキット・ハリングトンと「THE KILLING 闇に眠る美少女」のジョエル・キナマンという、話題の米ドラマに出演する俳優2人がアーサーとランセロットを演じることになっているが、ともに映画での実績がないうえに9000万ドルの予算が1億3000万ドル規模にオーバーする可能性があるため、スタジオが二の足を踏んでいるという。
また、配給が決まっていたレジェンダリー・ピクチャーズの「パラダイス・ロスト(原題)」も、2012年1月のクランクイン直前に製作延期が決定。ジョン・ミルトンの叙事詩を下敷きにしたアレックス・プロヤス監督の最新作で、「ハングオーバー!」シリーズのブラッドリー・クーパーが主役を演じることになっていた。しかし、1億2000万ドルの予算がVFX費用の増加で10~15%アップすることが明らかになったため、製作延期が決まった。
最近は、DVD収益が急激に落ちこんでいるため、メジャースタジオは映画のコストにシビアになっている。ジョニー・デップ主演の西部劇「ローン・レンジャー」も、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのデップとゴア・バービンスキー監督、プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーの3人が再タッグを組む超大作として期待されていたものの、予算が2億6000万ドルに膨らんだため、製作・配給の米ウォルト・ディズニーは延期を決定。その後、予算が2億1500万ドルと大幅削減が可能になったため、ゴーサインが出ることになった。
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