冨永愛、失恋重ねる寅さんを「草食系」と分析
2011年11月27日 21:31
[映画.com ニュース] 寅さんでおなじみの「男はつらいよ」シリーズが、WOWOWで初めてハイビジョンでの全49作品一挙放送をする。これを記念し、モデルの冨永愛と精神分析医の名越康文を迎え、寅さんの魅力を分析する特別番組「寅さん女子短期大学」が制作されることになり11月27日、都内で収録が行われた。
シリーズ全48作と特別編1作が放送されることにちなみ、会場には“学生”として48人の一般女性を招待。司会の冨永を加えた49人が映画本編の映像を見ながら名越の講義を受けた。
寅さん風のファッションに身を包んで登場した冨永は、「寅さんと言えば失恋」とニッコリ。シリーズを通じて、寅さんは美しいマドンナたちと恋に落ち、必ず最後に失恋する。番組では寅さんの失恋シーンをピックアップし、何がいけなかったのかを分析。冨永は「実は寅さんはモテるんですが、いまどきの言葉で言えば、草食系(笑)」。名越は、「究極のフェミニストなんです。空気が読めないようなふりをして、実は読み過ぎている。だから相手の気持ちを先回りして自ら否定してしまっているんです。これを精神分析では“過剰適応”といいます」と解説した。
失恋ばかりの寅さんの姿に、冨永は「かわいそう。癒してあげたいです! キュッとしてあげたいけど、そうしようとすると逃げられる気がする……」と悲痛な表情。名越いわく、「寅さんは互いに補い合うのではなく、相手の全てを背負おうとしてしまう。自分に完璧を求めすぎて『自分では相手を幸せにできない』と身を引いてしまう」という。これは、女性の「いつか素敵な男性が現れるはず」という“白馬の王子様幻想”と同じ論理だと指摘。冨永は、「私もありますよ。いつか私とパーフェクトに噛み合う人が現れるんじゃないかって信じています」と明かした。
番組では恋愛だけでなく、ファッションや一人旅といったテーマから、名越が寅さんの人物像を分析し、現代を生きる女性に寅さん流の生き方の素晴らしさを説く。また、シリーズのメガホンをとった山田洋次監督も出演し、改めて寅さんの魅力を伝える。「寅さん女子短期大学」はWOWOWプライムで12月23日放送。「男はつらいよ」シリーズハイビジョン一挙放送は、WOWOWシネマで12月24日~2012年1月22日。