韓英恵「反日映画ではない」ネット上の批判に心境吐露

2011年10月16日 14:09


完成から2年を経ての劇場公開に感無量
完成から2年を経ての劇場公開に感無量

[映画.com ニュース] 今年のロッテルダム国際映画祭に正式招待され、物議を呼んだ日本映画「アジアの純真」が10月15日、東京・新宿のK's cinemaで封切られ、韓英恵笠井しげ、脚本を手がけた井上淳一片嶋一貴監督が初日舞台挨拶を行った。

北朝鮮の拉致事件で反朝鮮感情が広まった2002年を舞台に、不当な暴力によって姉を殺害された在日朝鮮人少女(韓)と、現場で事件を黙殺してしまった気弱な日本人高校生(笠井)が怒りと悲しみをこめ、“テロリスト”として社会に復讐を果たす姿を描く。

韓は韓国人の父親と、日本人の母親をもち「これまで人間関係がうまくいかず、自分から逃げていた部分もあったが、この作品をきっかけに自分にまっすぐ向き合えるようになった」。ネット上では“反日映画”と批判する声もあるといい「決して反日映画ではない。ピュアな青春ロードムービーだと思うし、私自身10代最後の作品が『アジアの純真』で良かった」と心境を吐露した。

完成から2年を経ての念願の劇場公開。自主製作で本作を完成させた片嶋監督は「K's cinemaさんに本当に感謝している」と感慨もひとしお。「今の日本映画に必要なのは多様性。いろいろな作品が作られ、見られる環境になるべき」と訴えた。海外の映画祭では概ね好評だというが、国内の地方映画祭では上映を断られることもあったという。韓と共演した笠井は「撮影したのは高校2年生のころ。顔もお芝居も全然違います」とこちらも劇場公開に大喜びだった。

韓が主演し、写真家・蜷川実花が初メガホンをとったショートムービー「Cheap Trip」(03)が10月20日、23~24日に同時上映される。

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