中谷美紀「阪急電車」全国拡大の挨拶で被災地思い涙
2011年4月29日 14:52
[映画.com ニュース] 有川浩のベストセラー小説を映画化した「阪急電車 片道15分の奇跡」が4月29日、東京・有楽町のTOHOシネマズ日劇2などで初日を迎えた。今月23日に関西圏32スクリーンで先行公開され、初日2日間で観客動員4万4166人、興収5815万4800円とハイアベレージの出足を記録。この日、全国83スクリーンに拡大されたのを受け、主演の中谷美紀、戸田恵梨香、宮本信子ら女優陣と三宅喜重監督が同劇場で舞台挨拶に立った。
中谷は、ファンに笑顔で応えながら客席通路を入場したが、ステージで「共演者の皆さん、温かい演出の監督に恵まれ、関西の方々の協力で完成しました」と話し始めると、声のトーンが徐々に低くなり下を向いたまま沈黙。顔を上げると、目には光るものがあった。
それでも、「頑張れー!」という客席からの声援に「はい、頑張ります」と気丈な笑顔。「今、日本は動乱によってひどい状況ですが、この映画で温かい思いを届けたい。ただただ、そう願っています」と声を詰まらせながら訴えた。
その後も、「関西、東京から北に向かって思いが伝わりますように」(宮本)、「(東日本大震災の被災地に)何ができるのだろうと考えていた。衣食住が足りた後、映画が一服の清涼剤になれば幸せです」(南果歩)と、それぞれが被災地にエールをおくった。
“大人”の女優陣の中で、ひときわ注目を集めたのが芦田愛菜。4月に小学生1年生になったばかりで、「新しく始めたこと」というテーマでのトークでは「目覚まし時計で、起きるようになりました」。さらに、「大先輩の女優さんたちとお仕事ができてうれしいです」と愛くるしい笑顔で語ると、この日一番の拍手を浴びていた。