武田鉄矢「豆富小僧」で力説 「今有効な力はファンタジー」
2011年4月28日 13:30

[映画.com ニュース] 日本初の3D長編オリジナルアニメ映画「豆富小僧」(総監督:杉井ギサブロー/監督:河原真明)が、4月29日から全国で公開する。ひょんなことから現代の日本にたどりついた妖怪と人間の交流を描いた物語。深田恭子が声を担当する、主人公・豆富小僧の目付け役・達磨の声を担当した武田鉄矢に話を聞いた。
落ちこぼれの妖怪・豆富小僧が、離れ離れになった母を探す旅に出ることを決意するが、現代の人間世界に放り出される。豆富小僧とその道中をともにするのが、博識で思慮深い妖怪の達磨だ。「先生的な立場なんですけど、今回は格別何か思いがあって演じてはいません」という。先生役といえば……、誰もがテレビドラマでの武田の名演技を思い浮かべるはずだが「達磨のひと言で物語が動くことはないんです。彼は豆富小僧を愛し、豆富小僧の心情をやさしく見守っている、今回はそういう部分を意識しました」と役づくりについて穏やかに話す。
「妖怪はいわば日本の文化財ですよ。(スティーブン・)スピルバーグはろくろくびを見て仰天したそうですが、日本国というところは妖怪のすみかとしては最高の風土を持っています。その妖怪の豊かさが、日本の文化の豊かさ、日本の自然の豊かさと共通するんじゃないでしょうか」
原作は京極夏彦の「豆腐小僧双六道中ふりだし」。妖怪やタヌキなど非現実的なキャラクターが大部分を占めるが、彼らの行動を通し、現代の人間社会で忘れられた自然への畏敬の念、人間の行きすぎた欲望、高度に文明が発達した時代への危機感、親子愛の美しさなど普遍的なテーマが描かれている。
「本当のことっていうのは、本当の言葉で語られると人間、イヤになっちゃうんですよね。今度の原発事故がそうですが、聞いたこともない単位や見えない放射線の分量を言われても、最初はわかったような気になりますが、何にも伝わらないんです」と話す。そして、「例えば今一番売れている本は村上春樹さんやハリー・ポッターシリーズですから、ウソやフィクションを経由した言葉、それだけが人間の中に残っていくんじゃないでしょうか。科学で自然や世の中を操ろうという動きに対して、今最も有効な力はファンタジーだと思います。それも自然の中から出てきたファンタジーの力」と力説する。

「そういう意味ではぜひ、東北、北関東の方にも見ていただきたい。そして、何のために生まれてきたんだろうと自分の存在価値についていつも悩んでいる豆富小僧を、復興の仲間だと思っていただけないかと願っています。被災地の子どもたちには、ぜひ見てほしい」と思いを語った。
「豆富小僧」は4月29日より丸の内ピカデリー他、全国で3D/2D同時公開。
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