「孫文の義士団」テディ・チャン監督「型にはまることなく撮り続けたい」
2011年4月8日 13:43

[映画.com ニュース] ドニー・イェン、レオン・ライ、ファン・ビンビンらアジアの映画スターが結集したアクション大作「孫文の義士団」が、 4月16日から公開する。それに先立ち、メガホンをとったテディ・チャン監督に話を聞いた。
清王朝末期の香港、腐敗した王朝打倒を掲げる革命家の孫文が、同志たちに武装蜂起を促すため密かに来航。王朝の西太后が仕向けた暗殺集団に対抗するため、孫文を護衛する義士団が結成される。義士団のメンバーは、各々が信じるもののために苛烈な戦いに身を投じていく。
中国歴代興行収入トップ10入り、香港アカデミー賞をはじめアジア各国の映画賞で34部門を受賞した。「ドラマのなかで描かれる登場人物の感情の部分がウケたんだと思います。成功したアクション映画を思い出してみると、意外とアクションシーンでどう戦っているというよりも、ドラマ部分の方が脳裏に焼き付いているんです」と述懐。そして「たとえば、『男たちの挽歌』は2人の主人公の人間関係です。名作とは登場人物の感情部分の描写がしっかり描けている作品です」と分析する。
2009年にクランクインするまで、資金繰りのトラブルや実母の死、自身の事故などスランプに見舞われ、何度もとん挫したことを明かしながら、困難な状況下でも作品の力を最後まで信じた。「中国大陸でピーター・チャン監督の『ウォーロード/男たちの誓い』が成功したことが大きいです。ここ数年で映画産業が一気に伸び、投資家は誰もがいい脚本だと言ってくれ、成功を信じてくれたのでお金が集まった。でも、自分のなかでは世界中の人々が見てくれる作品になる、と思う自信はどこかにありました。当時は、その自信を誰も信じてはくれなかったですが(笑)」
中国、香港を代表する豪華俳優陣の出演も注目されているが、当初の予定から変更があったという。「今は亡きレスリー・チャンにも出演をオファーしましたが、出演の確約は取れませんでした。彼のスケジュールやギャラの問題もあると思いますが、正直、この作品が現実的に動くかどうかわからなかったことが大きかったと思います。そのとき、私はどの役に興味があるかと聞いたところ、彼は最終的にレオン・カーファイが演じた活動家に興味を示していましたね」と話した。
デビュー当時は青春群像劇を多く撮っていたが、近年はアクション作を中心に手がけている。「作品に投資してくれそうな人に対して、今度は悲劇や喜劇の映画を撮りたいと話すと、彼らはそれよりもアクションを撮ってくれと言います。それは私にとって最も悲しいことです。私は型にはまることなく撮り続けたいと思いますから。私が尊敬するのは黒澤明やスピルバーグ監督。彼らは、決まったジャンルの作品しか撮らないわけではないですから」と将来の展望について思いをめぐらせた。
「孫文の義士団」は4月16日から全国で公開。
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