モーツァルト実姉の人生を描いたルネ・フェレ監督が最も伝えたいこと
2011年4月8日 13:43

[映画.com ニュース] 18世紀ヨーロッパで神童と呼ばれ、音楽界を震かんさせたウォルフガング・アマデウス・モーツァルトの実姉マリア・アンナ、愛称ナンネルの人生にスポットを当てた作品「ナンネル・モーツァルト 哀しみの旅路」が、4月9日から公開される。2月に来日したルネ・フェレ監督に話を聞いた。
ナンネルは3歳で父レオポルドから音楽を学び、たちまちその才能を開花させるが、レオポルドは神童ともてはやされるウォルフガングの教育に力を入れ、ナンネルには女だからという理由で、バイオリンに触れることさえ禁じていた。フェレ監督は、父親のレオポルドが残した書簡集を読み製作を決意したという。
「長女のナンネルも家族の中で重要な役割を果たしており、弟と同様に彼女もまた、天才的な才能の持ち主だったということが克明に記されていたのです。しかし彼女のキャリアがあるところで止まって、記述から消えていくんです。それはその当時、女性が認められない部分があったせいだとわかりました。私は、歴史的に埋もれてしまったナンネルをもし浮かび上がらせるとしたらどんな形でできるかと考えたのです」
舞台は18世紀。ろうそくの光の中に映し出される美しい映像はスタンリー・キューブリック監督の「バリー・リンドン」を参考にしたといい、ベルサイユ宮殿でもロケが行われた。宮廷のシーンでは、ナンネルとルイ15世の王太子ルイ・フェルディナンとのはかない恋が描かれる。劇中を通して、映画音楽など幅広く活躍する女性作曲家マリー=ジャンヌ・セレロによるバロック音楽が効果的に用いられている。
「本作で一番重要視したのは音楽です。ナンネルが作ったと思われるような説得力を持つものでなければならなかったし、かつ、モーツァルトの音楽と類似し、時代性を無視せずにそのような音楽を作り上げていくということは最も難しいことだと思いました。本作での音楽は、音楽を通して自分を表現するというナンネルのキャラクターそのものでなければならなかったんです」
ナンネルを演じるのは、フェレ監督の長女マリー。次女リザも、修道院に幽閉された王女ルイーズとして出演している。
「自分自身の生活と、アーティスティックな仕事と大きな区別をしていないんです。子どもたちと一緒に仕事をするということは、自分の芸術的な欲求を満たすためにも必要なことですし、それが人生の喜びにもなっています。でも、家族を作品の中に取り込むということは、リスクを伴うことでもあります。例えば、主役を演じたマリーがレベルに達しないような演技をした場合は、やはり良い作品にはならないわけですから」
今回、マリーら家族とともに2度目の来日となった。「とても繊細な作品です。世界の多くの観客の中でも、日本のみなさんには特にこの繊細さを理解していただけると信じています」とメッセージを寄せた。
「ナンネル・モーツァルト 哀しみの旅路」は4月9日から全国で順次公開。
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