イタリアの俊英監督、ジョーク不発に苦笑い
2010年10月24日 22:07
[映画.com ニュース] イタリア映画「素数たちの孤独」が10月24日、第23回東京国際映画祭のWORLD CINEMA部門で公式上映され、主演女優のアルバ・ロルバケル、監督と脚本を手がけたサベリオ・コスタンツォが、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズでの上映後のティーチインに出席した。
過去に精神的なトラウマを抱え、自分の世界に閉じこもる少年と少女の成長と関係性を、独自の映像美で描く。イタリアの大ベストセラーが原作だが、映画化に際して、時系列通りに進む原作を解体し、3つの時系を行き来する脚色へと変更された。
コスタンツォ監督は、「こうした手法のほうが、映画としては面白いだろうと思いました。原作を知らない人はもちろん、愛読者をも幻惑したいという思いがあった」。映画化の決め手として「この本はものすごく売れたからね」と説明し、観客が納得した表情を見せると「今のはジョークだったんだけど」と苦笑する場面も。また、劇中でエルビス・プレスリーの楽曲を使用したかったものの「15万ユーロ要求されてしまって」とあきらめざるをえない状況だったと明かした。
主演のロルバケルは、同作をはじめ「マイ・ブラザー」「ボローニャの夕暮れ」にも出演するイタリアで最も注目される実力派女優。観客からフェデリコ・フェリーニ監督の「道」のヒロイン・ジェルソミーナ(ジュリエッタ・マシーナ)に雰囲気が似ていると言われ「そう? 実は何度か言われたことがあるの。とてもうれしい言葉ね」とご満悦だった。
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