山田孝之「お金が最強の兵器」ウシジマくんを体当たり熱演
2010年9月29日 19:19
[映画.com ニュース] 山田孝之の約4年ぶりとなる主演ドラマ「闇金ウシジマくん」の制作会見が9月29日、東京・新宿の京王プラザホテルで行われ、山田をはじめ、片瀬那奈、崎本大海、やべきょうすけ、山口雅俊プロデューサーが登壇した。
原作は04年から「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で連載され、これまでに累計販売部数250万部を超える真鍋昌平の同名コミック。「10日で利息5割」という法定金利オーバーの闇金融業を生業(なりわい)とする主人公・丑嶋(ウシジマ)が情に流されず、債務者たちから取り立てを行う姿を通して、格差社会やワーキングプアといった現代社会が抱える問題を描いた社会派ドラマ。
山田は「タイヨウのうた」以来となる主演ドラマで、闇金融の経営者という役どころを体当たりで熱演した。「ウシジマは本能のままに生きる動物っぽい存在。取立てのシーンは冷酷さを徹底的に意識したので、疲れましたね」と述懐。それでも、「お金を考える作品という意味で、いいタイミングだと思うし、日本に生きる人間としてリアルに考えてほしい」とアピールした。さらに「僕自身はそこまでお金に執着はないが、お金は世界中で最強の兵器だし、世界中を動かしているもの。それだけに麻ひしやすいので、このドラマを見て『絶対に闇金に行っちゃダメだな』という怖さを知ってもらえれば」と熱弁をふるった。
丑嶋が経営する「カウカウ・ファイナンス」の新入社員・千秋を演じる片瀬は、「元AV女優で、今は闇金で働くしかない女性。千秋の目線で、闇金という未知の世界に入っていってもらえれば」。また、丑嶋に忠誠を誓う会社のナンバー2を演じるやべは、「山田くんと同じ年っていう設定ですが、20代に見えるかなあ」と恐縮しきり。元ホストのイケメン社員役の崎本は、「撮影中、スタッフさんから『みんな悪い顔しているねえ』って言われていたんで、どれだけ悪く映っているか楽しみ」と放送開始が待ちきれない様子だ。
フジテレビ時代にドラマ「ナニワ金融道」を手がけた山口プロデューサーは、「原作を知って即効で権利をもらったが、テレビ各局に相手にされなかった。これだけ苦労したドラマもめずらしく感無量。『ナニワ金融道』のような牧歌的な古き良き時代は終わった。今の時代にギリギリの人間模様を描くには、ウシジマくんでなきゃダメだと思った」と製作経緯を語った。
「闇金ウシジマくん」は10月よりMBS・TBS系で放送開始。